「純資産トレース」の考察を推し進めてみます。
単純な純資産総額と流出入純資産との比を取ってみます。また基準価額(分配非課税再投資)を求め、それに対する純資産総額と流出入純資産との比も求めてみます。比の比なのでややこしいです。
①純資産総額[億円]/純資産(Σ流出入)[億円]
②基準価額[設定日=1]
③[純資産総額/純資産(Σ流出入)]/基準価額[設定日=1]
この解釈は難解です。
【考察】
まず①ですが、①が1以上ならば基準価額の上昇によって流出入した純資産以上に純資産総額が増えている。1以下ならば基準価額の下落によって流出入純資産以上に純資産総額が減っている。
次に③の解釈です。
◆2008年エンド頃(リーマン)
基準価額があまり上がっていないのに純資産総額/流出入純資産が大きく上がっているということは(分子の分母である)流出入純資産が基準価額の変動以上に減少している
◆2014年ビギン頃(アベちゃんで盛り上がり始めてしばらく後)
基準価額が上がっているのに純資産総額/流出入純資産がそれに比例して上がらないということは(分子の分母である)流出入純資産が基準価額の変動以上に増加している
あくまで微分値と捉えているので、③が正の傾きを持つ時期が流出、負の傾きを持つ時期が流入と考えています。そして③がフラットならば純資産総額と流出入純資産が比例関係にある。
つまり、株価が上昇しているときは資金が流れてきて、株価が低迷しているときは流れていく。要は「順張り」ってやつですね。この「流出入フロー」は市場や投資家の人間心理が投資信託の純資産の増減によって浮き出された一例だと思います。
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