非課税口座が始まってもう5年ですか・・・。継続するためには「マイナンバーを提出せい」というお達しがSBI証券から来ていてどうしようかと先延ばしにしているところです。
「積立専用の非課税口座」というものの詳細が固まってきたようなので、自分のメモとしてつらつら残しておきます。2017年6月の金融庁のpdf（「
対象商品等についての説明資料」）を参考にします。
【広く浅く】
「年間100万円（120万円）もの金額を資産運用に回せるのが、「投資に巻き込みたい世代」の何パーセントいるか（いやそんな多くないでしょ（反語））。だから期間と金額を長く小さくすべし」というのを前に書いたと思います。それがようやく実現しそうだということですよね。
120万円×5年に対して40万円×20年。・・・とりあえず名前にあるように「積立」を推奨するなら12ヶ月で割れるキリのいい数字にしてもらいたいんですけど。積立しかできないんですよね？今は毎日積立というのもあるみたいですが一般的には毎月積立ですよね。こういうところで整合性や一貫性が問われると思うんですが。
かといって24とか48とか一の位まであると細かいので60万円×20年じゃダメなの？（その前の税制改正要望の資料では60万円になってましたけど）諸般の事情（税収とか）でダメだったんですかね。
あとこの数字・・・例えば40万円×20年=800万円の元本でインデックス投資がうまくいって資産が2倍になったとして1600万円で老後が生きられると思ってはじき出された数字なんですかね？日本という国の将来に関わるのでこういう「数字の根拠」や「設計」を詳しく知りたいです。
【対象インデックス】
インデックスファンドのベンチマーク指数って大体どこも同じですけど、金融庁のチョイスは思いのほかマニアックなものも含まれているように見えます。
ポイントは以下かと思います。
①MSCIコクサイではなくMSCIワールド
（「MSCI Kokusai」は「MSCI World ex. JAPAN」と理解しています）
例えばグロ株インデックスファンドってほぼ「MSCIコクサイ」で右へ倣えですが、資料の一覧にはそれが含まれていない。つまりそれをマザーファンドとした新たなファンドを起こす必要があるということでしょうか。
ただし、下部の注釈に
「（注）各指数は、配当を含めるか否かの別、為替ヘッジの有無の別若しくは特定の一国を除外又は包含するか否かの別により、別個の指数を算出している場合における当該指数を含む。」
これはつまり「コクサイ（ワールド[ジャパン除く]）」を含むということ？それなら現状の延長線上で済みますね。
②無印インデックスと「All Cap」「IMI（Investable Market Index）」の二種類を敢えて併記
（無印は「Large & Mid Cap」が主流と理解しています）
我々が普段「グローバルな分散投資」と思っている指数はLargeからせいぜいMiddleの時価総額規模しか含まれていませんので、それを「市場平均」とみなすのは論理性や正確性の観点からどうかと思っていたが、敢えて「All Cap」や「IMI」を指定してきたところにインデックス投資としての「矜持」を感じる。
③残念ながら高配当や最小分散やイコールウェイトの指数はない
上記の「All Cap」などにより、時価加重（市場平均）の論理不足に対して多少配慮される事になるが、時価に代わる統計インデックスは含まれていない（「RAFI」は財務指標であって統計ではない）。
【追加視点】
この資料を見ると、上で述べたような「数字の根拠」に加えて個人的には二つほど観点が足りていないと思いました。
◆定量性
過去実績とともに数学的な背景を提示することで長期投信積立のロジックと信頼性の強化を図ること
◆持続可能性
経済が持続的に成長する前提は人類の消費活動に地球資源および環境が永続的に耐えられることであること
金融庁のこの資料に限らずネット情報のほとんどがこの視点が無いと感じています（インデックス投資にとって都合がわるいし「ビジネス」にならないからでしょうか？）。
後者はもうどうしようもないことだとしても、前者は金融庁主導で業界の「定量化改革」でも始めてくれないですかね。「第二次非課税口座」とパラで。この辺りをどう考えているか関係者に確認してみたいところです。
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