以前から何度か言及していますが、インデックスファンドは万能ではなく、乖離という問題を常に抱えています。
ベンチマークと基準価額との主な乖離要因をまとめます。
①信託報酬
②その他コスト(売買手数料、管理・保管料など)
③組み入れ比率差、銘柄選択差
④現金保有効果(フルインベストメントでないこと)
⑤配当・利子収入(配当が含まれない指数の場合)
⑥株式・債券・為替レートの買付価格と評価価格との差(タイミングのずれ)
⑦DR採用による組入通貨差(DR価格に完全に反映される保証がない)
⑧DR価格と現地価格との乖離
ETFはさらに
⑨基準価額と取引価格との乖離(
→モーニングスターのETFページ)
プラス要因になりうるモノもありますが大半はマイナス要因です。様々な乖離要因が我々のリターンを蝕んでいきます。例えば新興株はインデックス上の期待値では年8%ですが、なんだかんだ言って我々が実際に享受できるのはおそらく5〜6%ではないかと推測しています(>_<)
①〜⑧についてはできる限りマネジャーさんに頑張っていただきたいですが、筆者が最も困っているのは⑨です。
新興株ETF(1681)等は割高になっていて、自分が買うときっとタイミングよく割高が解消されると思うので手を出していません。これには前例があって、1322が昔はひどかったです(今もですが)。ベンチマークと基準価額は上がっているのに取引価格だけ上がらない(2009年5〜8月)。誰かが操作しているとしか思えないくらいにあからさまでした。これは、もともと割高になっていて、見えざる手がベンチマークの値上がりに便乗して割高を解消させていたと筆者は考えています(純資産額もそこそこあり、あれが本当に需給関係による市場の価格調整能力なら、最初の乖離自体も起こらないはず)。おかげで筆者は10%くらい損しました。1325もオリンピック開催決定の時はひどかったです(今もですが)。
これらはETFの低い信託報酬だけでなく、年間リターンすら簡単に吹き飛ばしてしまう大問題であり、筆者がETFをあまり信用できない理由です。
ただでさえマイナスの乖離圧力が強いのに、次元の違うところで損失を被るのは勘弁していただきたいです。(金融機関は信託報酬で利益を確保しているし、リスクがありますよと言って責任回避すればいいので関係ないでしょうが。)
ETFを利用しない理由をまとめますと、
①低信託報酬が乖離バラツキでキャンセルされる(特に海外資産は年間リターンに匹敵)
②定額積立できない
③成行は変な値段、指値はなかなか約定しない(無用のストレスの原因)
信託報酬や運用コストは当然として、ETFの基準価額と取引価格との乖離というのは、金融機関の努力で小さくできるものなのでしょうか?
インデックスファンド(ETF含む)を選ぶ時は、信託報酬だけでなく、乖離という品質も重要だと思います。乖離も我々にとっては信託報酬と何も変わりません。