「非課税口座"特需"の今より多かった時期があるの?」というのがこの記事のタイトルで真っ先に思ったことです。
【投信銘柄数】
5013@2014/2
5000超@1998/2以来
過去最高(6500近く)@1995/8
【投信残高】
日本:80兆円弱(5013本)
米国:1520兆円(約7700本)
そうすると前回16年前の5000本から本数が減った時期があったんですね。毎年たくさん設定されるから増える一方かと思っていました(むしろ消える方が多いのでしょう)。出るときは金融サイトとかで記事になりますが、消えるときは静かですよね。
『長期的に良好な運用成績を残し、投資家の支持を集めるファンドがあまり育っていないことも、新ファンドの設定が相次ぐ要因でもある。投資家も短期志向で投信を買い替える傾向が根強く、ファンドの数は大幅に増えても、投信全体の運用残高は2月末で80兆円弱と、7年前の水準にとどまった。』
ほんとにそうなんですかね?
◆あまり育っていない→育てようとしていない
◆短期志向で投信を買い替える傾向→短期志向で投信を買い替えさせる慣習
私はこういう理解です。どちらも買い手だけでなく売り手の問題と表裏一体です。あと、冒頭の「特需」って投信を資産形成のためのツールではなくビジネスのための撒き餌として捉えている印象です。
5000本もあるのに等配分インデックスってETFの1577くらいしかないんですよね(追記:調べてみると投信で他にありました→「
等金額投資のファンド」)。アクティブはもちろん、もう時価加重のインデックスファンドも減らしていいんじゃないの?と思います。
平たく言えば「こんなにゴミを増やしてどうするの」と思います。
他にも、
「長期的に良好な運用成績を残し、投資家の支持を集めるファンドがあまり育っていない」ことを「新ファンドの設定が相次ぐ要因」としていますけど、これって
◆「機関投資家("プロ")が長期的に良好な運用成績を残せない」ことを認めているでいいですよね?(あまり育っていない→育てようとしていない→育てたくても育てられない)
◆相次ぐ設定についても「乗り換え手数料目的の回転売買」の他に「新ファンドを乱発することで残念な成績をカモフラージュしている」ということはないでしょうか?
一方で、確かに我々インデックス投資家も低コストのインデックスファンドが出るとすぐに乗り換えてしまって、「ファンドを育てる」という意識に欠けているのではないかということは自戒すべきだと考えます。
インデックスファンドが、①投資に値するコストで、②国際分散投資に耐えうるレパートリーで、③ネット証券・自動積立といった続けやすい売買環境で購入できるようになったのが比較的最近、少なくともこの16年前より後のはずですので、今後そのようなファンドは出てくると信じています。
ちなみに等配分なら「長期的に良好な運用成績を残し、投資家の支持を集めるファンド」になりうると思います。(でも最後はコスト次第か・・・。)