またETFの乖離ネタです。
これまでは「株式のように売買できる投資信託」のような認識しかありませんでしたが、日銀の資産買い取りでも話題になっているので、ETFの仕組みから少し勉強しました。
半年くらい前の記事ですが日興アセットのページを参考にさせていただきました。
コラム もっと知りたいETF!のNo.3,4,6
【ETFの3つの価格】
①基準価額(一口当たり純資産価格)
投資信託の保有資産の評価額(純資産額÷発行口数)
つまり指定参加者(ETFを直接設定および解約できる契約関係を持った証券会社)が発行口数の設定と解約をするときの価格
②市場価格
現在の価格を織り込みながら需要と供給が均衡したところで形成される連続的な価格
つまり我々が売買するときの価格
③推定一口当たり純資産価格(インディカティブNAV)※日本では未導入
基準価額が前日に計算された価格であるのに対し、最新の一口当たり純資産価格をベースに保有証券の価値を現在の価格(証券価格と為替評価)に修正したもの(ただし海外資産は時差等の関係で依然として乖離が起こりうる)
【インデックスファンドとETFとの違い】
・インデックスファンド
証券会社が投資家から資金を受け取るたびに受益証券を発行
・ETF
証券会社が株価指数構成比で現物株式をパッケージ化し(現物拠出が難しければリンク債)、受益証券として取引所で放出(発行)。それを一般投資家が売買
【ETF価格と裏付け株式価格との関係】
①ETFが買われて価格が上がる
②裏付け株式を買う方が有利
③裏付け株式が買われて価格が上がる
④ETFと裏付け株式との価格が均衡
【ETFの純資産額と指定参加者による価格均衡メカニズム】
①指定参加者が裏付け株式を購入してETFに仕立てる(ETF口数と純資産額の増加)
②裏付け株式価格が上昇
③指定参加者が仕立てたETFを市場で売却(一般投資家が購入できるようになる)
④ETF価格が下落
⑤ETFと裏付け株式との価格が均衡
【考察】
一読すると指定参加者にとってかなり有利な仕組みである気がします。上記コラムにも、「株式を1000円で購入し、それをETFに仕立て、ETFが1020円になっている市場で売却すれば、収益を上げることができる」と書かれています。
逆に言えば、このような有利な仕組みであるならば、基準価額と市場価格との乖離にも責任を持って対処していただきたいと思うのは私だけでしょうか。
特に、海外資産は流動性や時差やリンク債などの問題があるにせよ、常時5%前後の乖離があるのはいかがなものかと思います。ETFのさらなる普及にはこれを解決することが必要だと思います。