その時その時のいいデータをピックアップしても仕方ないといつも思っています。
今回に限らずこういうので取り上げられるファンドと似たような種類のもので「ワースト」はどれくらいか知りたいです。よくファンドのアワードみたいなことをやっていますが、良い方だけでなく悪い方もやったらどうでしょうか。その方が情報提供者として公平ですし、ユーザーへのミスリードも減ると思います(むしろ悪い方が今後よくなるかも知れないので有益な情報になりうります)。あと「バラツキ」がどれくらいか。
モーニングスターには「+/- カテゴリー」とか「%ランク」といった数字があるのでこれをもっと統計ライクにできたらいいと思います。分布の何σか、とか。
例えば、モーニングスターの「バランス型」のカテゴリから3年の標準偏差とリターンをもらってきてプロットすると以下のようになります(377ファンド)。色は実質コストです。
【リスクリターンの分布】
このファンド毎のリターンにおける平均と標準偏差(リスクではない)を求め、平均との差分を標準偏差で規格化したヒストを示します。つまりカテゴリ内の分布のσを表します。
【リターンの分布】
3年年率リターンのセンターは11.0%、1σは3.9%です。このように全体を見ると+3σのファンドもありますし-3σのファンドもあります(厳密には正規分布ではないのでσと確率は一対一対応しないことにご注意願います)。
残念ながらeMAXIS8は期間が足りず入っていません。世界経済idxはリターンで+0.47σに位置しています。ちなみにリスクで+0.76σ、SRで-0.36σ、実質コストで-2.2σです。
無数にあるものの中からいいものだけ選んでくれば良く見えるでしょう。その時々の状況にたまたまハマるものは何かしらあると思います。要するに下手な鉄砲も数撃ちゃ当たりますわ。こういうのが生存者バイアスを助長する気がします。
ちなみに日本ではバランス型の純資産が減少していると書かれていますが少なくともeMAXIS8と世界経済idxは順調に増えています。
あと、
「機動的資産配分型」
「固定資産配分型」
というバランス型の区分については、どうでもいいんですが個人的には利害という逆向きのベクトルが介在する(同じパイを分け合うとも言う)金融関係者に判断を任せたくないので後者ですかね。投資絡みで「プロ」とか「儲かる/儲ける」という単語が出てくる時点で信用していないので。そもそもお金のことを他人に任せるとか恐くてできない。
私の方は金融関係で溢れるうわっつらだけの話にうんざりしています。
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