おもしろいグラフがあったのでマネしてみました。
【機械投資のマジック(1989年1月〜2016年1月)】
【機械投資のマジック(1989年1月~2016年1月)の2005年11月以降を拡大】
それぞれ以下のような平均取得価格を表しています。
①:通常の定額積立(いわゆるドルコスト平均法)・・・緑色
②:定口積立(基準価額の相加平均=取得価格の平均)・・・茶色
③:投資信託の流出入量で積立額を加重平均したもの・・・オレンジ
④:投資信託の流出入量の絶対値で積立額を加重平均したもの・・・マゼンタ
【考察】
①の「定額積立(いわゆるドルコスト平均法)」の平均取得価格が最も低くなっています。特に平均取得価格が必ず「①≦②」になるのはいわゆる数学における「調和平均」で示されるものです(参考「
ドルコスト平均法の数学I」)。
参照記事と略同等である③の「流出入加重平均積立」は「トレンドに流されるとどうなるか」がよくわかるグラフだと思います。なお③は流出の場合も流入と計算を変えていないので1990〜1992年付近で暴れたり2002〜2003年に上昇しています。
さらに市場変動に対して「トレンドの逆を行くのはどうだろう?」ということを確認するため、④のように流出入額の「絶対値」による加重平均積立を追加しています(流出が多ければたくさん購入する)。この例では平均取得価格が「③>④」となっています(流入側はそのままなので①よりは低くなっていない)。世間が悲観している時に如何にブレずに突っ込んでいけるか、ということが示されていると思います。
なお参照記事と同じく2005年11月を基準にすると以下のようになります。①が最も低いことと「③>④」という関係は変わっていません。ただし定口の②と③、④との関係はひっくり返っています。
【機械投資のマジック(2005年11月~2016年1月)】
【まとめ】
市場の心理学に惑わされず機械的に投資をすること(ルール化)の大切さが示されていると思います。
【余談ヨルダン】
ふと思ったのが積立は定額(時間方向に均等配分)なのに指数は均等ではないのですかね。積立は時間軸に独立(相関ゼロ)であることが仮定できるからでしょうか。
あと、ちなみにこの記事は「ヒューリスティック」はダメと言っていますね。均等配分もヒューリスティックなところがあります(あれは正確には「ロバスト」と考えています)。きちんと計算するとめんどいからエイヤで相加平均でいいや、というのが均等配分の考え方ですが、やはりイコールだけでなく最小分散など締めるところは締めろということだと思います(´~`)
(関連記事)