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ドルコスト平均法の数学I

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ドルコスト平均法の数学I

積立を行う上で定口購入より定額購入、すなわちドルコスト平均法がよいと言われます。何がどういう風によいのか、以下のようなモデルを考え数学的に理解しておきたいと思います。

まず定口購入と定額購入の平均取得価格(1口当たりの取得金額)について確認します。基準価額をAnとすると、平均取得価格は全取得金額/全口数なので、

(A)定口購入:k=(A1+A2+・・・+An)/n

(B)定額購入:k=n/(1/A1+1/A2+・・・+1/An)
(1/k=(1/A1+1/A2+・・・+1/An)/n)

(C)一括購入:k=A1

定額購入の形、どこかで見たことあると思ったら物理の換算質量や電気の合成抵抗・合成容量(逆数の和の逆数が求める平均)に似ています。ドルコストはちょっと違って逆数の和の平均の逆数が求める平均で、数学的には調和平均と呼ばれるものです。一般的な性質としては、

相加平均(≧相乗平均)≧調和平均

上で示したように定口購入は相加平均、定額購入は調和平均なので、後者の方が必ず小さくなることがわかります。つまり平均取得価格が取得価格の平均より必ず低くなります。

ではこれを元にモデルを立てて考えてみます。

【モデル】
基準価額がある一定値pを基準に-σ、+σの2値をn/2回ずつ交互に繰り返すケースです。そのためnは偶数とします。以下に例としてp=1、σ=50%、n=12の場合をプロットします。


この時の平均取得価格は

(A)定口購入:k=(p(1-σ)×n/2+p(1+σ)×n/2)/n=p

(B)定額購入:k=n/(1/(p(1-σ))×n/2+1/(p(1+σ))×n/2)=p(1-σ^2)

(C)一括購入:k=p (一定値pまたは最初の2回の平均を取得価格とする)

これを図示すると以下のようになります。


このように基準価額の平均が一定の場合は定額購入は定口購入や一括購入より平均取得価格が低くなります(定口と一括は重なっています)。それはnによらず、オーダーはσ^2になるようです。これを横軸にσをとって図示しておきます。


以上のモデルから、確かにドルコスト平均法のメリットが確認できました。では次回はリターンμで基準価額が上昇していく場合のドルコスト平均法について考えます。

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