配当金等による相加平均を2%(正確には2.02041%)、標準偏差を20%と置くと、シグマによるロスは-2%(正確には-2.02041%)になるため、相乗平均は相殺されて0%となります。この時のドット絵版波動砲は以下のようになります。
【ノーマイナスサムゲーム・ノーライフ】
波動砲は水平になり、「マイナスサムゲーム」の確率は50%、つまりインデックス投資(パッシブ投資)は時間をかけて長期投資しても「上がるか下がるかの2択」ということになります。
特定確率を示すラインは上から+2σ、+1σ、相加平均、0σ(相乗平均=中央値)、-1σ、-2σ。特に均等配分は相加平均(平均値)なので水平からひとつ上のラインとみなすことができます(つまりイコールウェイトのマイナスサムの確率は50%より低い)。
一方、加重平均である市場平均は分布のどこに来るのでしょうか。それを定量的に議論できないと、単に市場平均が取れるだけで将来プラスで終わることを示すことができません。市場に追従できたところで市場が失敗すれば意味はなく、資産運用の手段としての説得力に欠けます。インデックス投資(パッシブ投資)はどのように未来の定量性を証明するのでしょうか。
【考察】
『ルールも目的も不明瞭な中、70億ものプレイヤーが好き勝手に手番を動かし、未来を先取りしても未来へ先送りしてもペナルティ。こんなもの、ただのマイナスサムゲーム。』
シリーズ前回(下記関連記事参照)までに示した資源問題や環境問題を乗り越えて超過リターンが実現される保証はどこにも無いし誰がしてくれるわけでもありません。
地球の資源が尽きたら?環境が悪くなったら?新しい技術を開発して人類は問題を乗り越える?それを誰がするの?少なくとも市場やインデックス投資(パッシブ投資)ではないですよね。
そのような予測される未来の諸問題に対してインデックス投資(パッシブ投資)は解答を持っているのでしょうか。どうやって落としどころを探るのか。バックアッププランはあるか。市場や世界経済任せではなく自ら対応するにはどうすれば良いか。
あくまで中立の立場から考えると、インデックス投資(パッシブ投資)には課題をどうクリアして成長し続けるかの「ストーリー(根拠、当事者意識)」がないんですよね。インデックス投資(パッシブ投資)は市場にフリーライドで何もしない、市場も問題に対して何もしない。ぜんぶ他者依存。だから考えなくなってしまうのではないか。もしかしたら課題すら認識していないかも知れません。
『定性的でオーバーディペンデントなのが力だと思ってんならパッシブ投資こそ視点が低い。』
視野の狭いオーバーコンフィデンスがフリーライド投資の最大の弊害、かも知れません。
【ノープラスサムゲーム・ノーライフ】
『市場を時価加重でトレースするだけがインデックス投資だなんて誰が決めたよ?』
問題を解決し発展していくための基盤は今までもこれからも数学や物理などの定量性。今我々が使っているPCもスマホも、電気もクルマもインターネットも、我々のあらゆる生活が定量性や物理法則の上に成り立っているのだから、同じ考え方や手法を応用する「統計インデックス」を否定する理由はありません。
世界経済の成長に賭けるしかない時価加重インデックスに対して、統計インデックスは経済や人間社会と独立な部分で定量性を駆使して効率を上げ、運だけに頼ることなくマイナスサムの未来を変えてやろうという気概を備えた自律的なインデックスと考えています。
インデックス投資(パッシブ投資)が論理的であるならば、市場が絶対とか経済は右上がりとか都合のいい理屈や願望は置き去りにして、客観と定量で未来を構築することが求められるのではないでしょうか。
※逆にその技術や定量性の進化が地球を食いつぶして未来を脅かす可能性があるのは別の話。
【まとめ】
あと30年くらいは今のままでもインデックス投資(パッシブ投資)はうまくいくのかも知れないですけど、その先は?自分はリタイアしているから知らん、では無責任ですよね。
今のところインデックス投資(パッシブ投資)とは、当たれば複利で大きな結果が待っている、しかし外れる確率もそれなりにある資産運用法という認識がちょうどいいのかも知れません。
『オレはパッシブ投資なんて信じてないのさ。だけどインデックス投資の可能性は信じてる。』
(関連記事)