出典 matome.naver.jp/odai/2145474544364543401
敢えて「意識高い系」のタイトルを付けるとしたら『「負けない投資」の罠』とでもなるでしょうか。
インデックス投資(パッシブ投資)は市場にフリーライドしているのでコスト等を除いて原理的に市場に「負けない投資」とされると思います。
でも「アクティブファンドの平均」とか「投資家の平均」に負けないことなどインデックス投資にとって目標ではないように思います。それらに勝っても「マイナスサムゲーム」なら資産形成として意味がないからです。以下は指数変動の例です。
【ロジックETF「四皇」の変動特性(2015/12/21-2016/09/30)】
この場合、例えば「時価総額」を「アクティブ運用の平均」、その他のロジックを「市場平均≒インデックス投資(パッシブ投資)」と考えてみます。すると確かにインデックス投資(パッシブ投資)は市場平均に負けず(実際はコストやトラッキングエラー、課税の差で敗北する可能性大)、「アクティブ運用の平均」に負けていません。しかし、どちらも一定時間経過後にマイナスの位置にいます。
※上記は例であり、また期間も短いのであくまで長期にスケールしたものと捉えています。
【考察】
未来の絶対的なプラスの確度を上げ「マイナスサムゲーム」を退けることがインデックス投資の目的ではないのでしょうか。市場やアクティブファンドに負けなかったところで救われるわけでもなく、彼らと勝つ負けるの次元の低い争いをしていても「マイナスサムゲーム」は変えられません。
インデックス投資(パッシブ投資)は「市場平均に負けない」とか「アクティブに勝つ」とか、視点・論点をあえて逸らしているのではないかと思うことがあります。
それだけだとインデックス投資(パッシブ投資)は絶対値としてプラス(勝者)にもなりうるしマイナス(敗者)にもなりうる。つまりこのゲームにおいて、
『インデックス投資(パッシブ投資)ならば何者にもなれる』
という解釈も可能。この場合においては、確かに「負けない」という意味でフリーライダーに夢を提供しているかも知れないですが、一方で不確定性や失敗に対する責任を回避しているようにも感じられます。
しかしインデックス投資の真の目的は資産形成(所定のリターンを精度よく実現すること)だと思うんです。資産形成で他人に勝つとか負けるとかどうでもいい。大切な資産を効率的に運用し設計通りの結果を得ることが本質ですよね。
少なくとも、「負けない」という考え方が課題や定量性を放棄するための口実になっていないかは注意する必要があるように思います。我々も遊びで資産運用しているわけではなく、金融機関や市場のカモになるつもりもないので、非合理な市場に任せっきりにせずに少しは改善のために努力するのが良いと考えています。
【まとめ】
冒頭のシーンは私の好きなドラえもんの最終回の一つですが、この話と違って、資産運用の世界では「勝ってもマイナスのボロボロ」では意味がないんですよ。「市場に負けずアクティブ投資の平均には勝ったけど30年後-50%でしたてへぺろ(・ω<)」では済まないですよね。
市場に負けなければいい、というだけでは資産形成の目的を達成するには不十分と思われます。逆に、市場に負けても結果がプラスならば最低限の目標をクリアしたと捉えることもできます。
「負けない」という言葉に惑わされず、インデックス投資の目的を果たしていくことが肝要ではないでしょうか。
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