※ちなみに画像はHakuba47スキー場の「ルート1(上部)」という尾根伝いの景色の良い爽快なコースです。カービングにオススメです。
写真のスロープのように、ここ数年のインデックスファンドの信託報酬低下はすごいですよね。これを金融機関の「中の人」になって考えてみると?
どんな分野でもいいですが、例えば自分の勤め先で「商品やサービスを値下げして利益が減ったから昇給なし、ボーナス減額」とかイヤですよね?
実情は知りませんが、そういう可能性のあることをインデックスファンド関係の金融機関は実行してくれているのではないでしょうか。それを考えると、低コスト競争、それが競争原理だとしても、我々フリーライダーは弁えないといけないと感じるようになっています。
※個人的には、ここ数年のスキー場のリフト券は値上げが続いているので、インデックス投資の運用管理費用の低下が特異に見えてしまうきらいがあります。
インデックス投資の場合、おそらく資産クラスに対して連動インデックスが基本的にどこも同じだから信託報酬で勝負するしかないんですよね。私が前から「差別化」と言っているのはコスト以外にも価値を見出せるものを作らないと消耗戦になるだけと考えているからです。だから例えば(ETFじゃないそこそこの信託報酬の)高配当インデックスくらいどこか出せばいいのにと昔から思っています。
※例えば冒頭の白馬47スキー場は「スノーパーク」で差別化を図っています。うまい人を見るだけでも面白いですよ。
それか信託報酬を従来の半分とか1/4にしてもそれで純資産を2倍、4倍集められればいいじゃんという考え方もあるのでしょう。インデックス投資もメジャーになりつつあるし、畳み掛けるのが鉄則ですかね。
たしかに、もともと金融業界はやっていることに対して対価や福利厚生が高すぎるんじゃない?というイメージがありますので、年率0.1~0.2%程度の信託報酬で世間的にはちょうどいいのかもしれません。少なくとも製造業では価格競争が激しい中、製品の原価低減や経費削減、付加価値、差別化といった努力で収益を改善させるのは普通のことです。
※どうせなら運用報告書や分配金計算書などの完全電子交付を義務付けてムダな経費やエネルギーを抑えるような取り組みも当局を巻き込んでやった方がいいのではないかと思います。
この金融機関の収益低下に対して、インデックス投資の内部ではもしかしたら毎月分配型に代表されるような高コストアクティブ投信の顧客から積極的に回収すればいいという考えもあるのでしょうか。
それはちょっと残念ですよね。私が以前から気になっていることは、インデックス投資は「何もかも他人の努力に頼りすぎ」ということです(コスト低減も、市場価格形成も、世界経済の成長も)。だからこそ「フリーライダー」であるインデックス投資は「客観性」と「謙虚さ」だけは忘れてはいけないと思っています。
あと「コスト」を「未来」に置き換えてみても当てはまる話。インデックス投資(世界経済の成長)の源泉は地球環境資源。それを吸い上げて人類にとっての「価値」に変換することでインデックス投資(指数)は拡大する。そして債券(未来からの借金)などの残高(時価総額)も膨れ上がるばかり。
未来の人類にもインデックス投資環境が残っているのでしょうか。今の時代の自分たちだけ良ければいいというのも考えものです。
以上のように考えると簡単な話です。インデックス投資は結局はあらかじめ決められた「利益総量」に対して「誰が割を喰うか」というだけの資産形成手段なんでしょう。その「誰」というのがコストダウンの当事者である金融機関なのか、高コストファンド保有者なのか、あるいは市場に利益を吸い上げられるダメな個人投資家なのか、利益の源泉を吸い取られる地球なのか、利益を先取りされる未来の人類なのか、というだけの話。
「インデックス投資は謙虚で分別があれ」という願いから、私はインデックス投資に対して中立で客観的に接するよう努めてきました。インデックスファンドユーザーである我々はフリーライダーであるからこそ、自分の利益だけでなく、「自分が相手の立場だったら」といった俯瞰的・全体最適的な視点を持ち続けるべきと考えています。
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