大切なものっていろいろあると思うんですけど、私が特に大事にしたいものが「時間」だと思うんですよね。
心の底から楽しいと思えた2017年のスキーシーズンも、こんなゴミのような記事や考察を書いて無為に過ごしてきた時間も、あとから見たらきっと捨てられない貴重な時間だったと思うはずです。
先日の記事において、試乗しないでフライングでスキー板を買うことを「お金で時間を買う」と表現しました。
これは、来季の春先の試乗会を待っていたら雪の良い時期に楽しめるのは2シーズン先になってしまうのを、1シーズン目から(2倍速)に短縮することができるからです。
どうなってしまうかわからない不確定な未来よりも、インデックス投資とともに失われていくかも知れない雪山やスキーに「分散投資」するのはリスクの観点からも理にかなっています。
インデックス投資はその逆、「時間でお金を買う」と表現できると思います。
これは、今の財産を未来に送ることで何年もかけて増やそうとするからです。
この「お金で時間が伸び縮みする感覚」、相対性理論などで用いられる固有時の概念に近いものがあります。運動する物体の固有座標系で定義される固有時は、人間の主観的な時間とお金との関係にも当てはめることができるということでしょうか。
そういう意味では、スキーもインデックス投資も「自身の固有時を制御できる魔法使い」のようです。
時間はお金の代替になりうるが、同時に、大切なものを切り捨ててまでお金のために時間を費やすか、という命題に帰着するのでしょう。時間は投資の味方だけれど、「殖やす」ことに執着して「今」を失うことの無いようにしたい。
なお冒頭のグラフは積立を一時停止した場合の資産推移simです。期待値は20年で2倍、つまり年率3.5%(月率0.29%)で1万円の毎月積立を仮定しています。
止めない場合に対しての「ロスト」は以下になるようです。
①最初に12ヶ月止めた場合、止めた額12万円+止めた分の20年分の成果約12万円の計24万円
②途中の10年目に12ヶ月止めた場合、止めた額12万円+止めた分の10年分の成果約5万円の計17万円
以下は同様のsimを4万円の毎月積立として停止期間を3ヶ月に4倍速化したものです。
【quad accel】
①最初に3ヶ月止めた場合、止めた額12万円+止めた分の20年分の成果約12万円の計24万円
②途中の10年目に3ヶ月止めた場合、止めた額12万円+止めた分の10年分の成果約5万円の計17万円
2倍速と4倍速でロスト額は変わらず、積立額が多くなるほどスキーの12万円のような一時の出費は相対的に埋もれていくようです。
【まとめ】
固有時間を操るとなれば投資成果への影響も相当なものだろうと思いましたが、そこまで致命的ではない。何十年も先の不確定な利益のために今の時間を捨てる方が、私はきっと後悔します。
時間をかけるということは、今を切り捨てるということなんだ。
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