残念な実質コストでも個人的に新興債押しなのは、ブラジルが入っているからですが、JPM GBI-EM GDの10%クリップにより時価総額加重平均がアレンジされていることもあります。クリップとはそこで制限するという意味です。
ところで分散の度合いを表すウェイトヒストグラムは銘柄数だけでなく国の数や通貨数を軸にとってもよいと考えます。
そこで新興債の通貨別配分のヒストを描きます。リファレンスとして時価総額加重平均の王様であるグロ債にお越しいただきます。また、JPM GBI-EM GDの親分(?)のインデックスを採用するEMLCという海外ETFと、JPMのもうひとつの新興債インデックスであるJPM EMBI Gを採用するEMBという海外ETFも見てみます。
◆eMAXIS 先進国債券インデックス
→シティグループ世界国債インデックス(除く日本)
→運用報告書@2013/01/28
◆eMAXIS 新興国債券インデックス
→JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイド
→運用報告書@2013/01/28
◆Market Vectors Emerging Markets Local Currency Bond ETF (EMLC)
→J.P. Morgan Government Bond Index Emerging Markets Global Core Index
→HP@2013/04/11
◆iShares Emerging Markets USD Bond ETF(EMB)
→JPMorgan EMBI Global Core Index
→factsheet@2012/12/31
通貨数を見るため点でプロットしています。
点の数が多いEMBはかなり多くの通貨が組み入れられよく分散されていると感じます。ただヒストの形状としてはeMAXIS新興債やEMLCの方が等配分に近くなっています。
eMAXIS新興債は組入10%の通貨が多いため直線的であるのが特徴です。ただEMLCとで大きな違いはありませんでした。今回最も知りたかったのはDiversifiedではないEMLCの最大通貨割合でしたが、Diversifiedと同じく10%が最大でした(CoreのついていないプレーンのGBI-EM Gが見たい)。
グロ債が2通貨で80%を占めるのは公知かと思います。
理想は等配分(銘柄の等配分、国・通貨の等配分)ですが、その前段階の手段として組入比率クリップが位置づけられると考えます。銘柄の等配分は依然として米国などへの集中が想定されるので、組入比率クリップを組み合わせるのがよいと考えます。
eMAXIS新興債は広く採用されているインデックスの中では今のところよく分散されている方だと思います。組入比率クリップは借金を平準化するために特にグロ債にも導入してほしいところです。
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