非課税口座を機にアセットアロケーションの修正を考えています。そのための判断材料を集めています。
インデックスファンドにとって実質コストは重要ですが、最も重要なのはそれに含まれないポートフォリオ要因等を含めたベンチマークからのトータルのカイリ率だと思うのです。
そこでSTAMとeMAXISについて、ファンドとベンチマークの騰落率の差を調べてみます。また、その騰落率差に実質コストを加えたものをトラッキングカイリ率と定義して比較してみます。
トラッキング"エラー"と書くとベンチマークからのrms(自乗平均平方根)だと思うのでここでは敢えてトラッキングカイリ率とします。これにより実質コストでは測れない部分の実力(ロス)がわかると期待します。
騰落率は2013年6月の月次レポートから、実質コストはそれぞれ2013年5月10日、2013年1月28日の運用報告書からもらってきました。
【騰落率差】
【トラッキングカイリ率】
【思うこと】
・株式の配当が意外と多い
株式はベンチマークに配当が含まれていないためプラスにカイリしています。そのためファンド自体のカイリ分がわからないのですが、日本株などはほぼロスが無いと仮定すると、年3%以上配当が入っていることになります。またトラッキングカイリ率で見ると新興株も日本株、グロ株とほぼ同等の水準のため、やはり実質コストの多さが騰落率差に効いているようです(実質コスト以外のロスは意外と小さい?)。
・日本債、グロ債、JREITのロスが小さい
おそらく日本株、グロ株もそうだと思いますが、投資環境が整った国ではロスは微小にできるはずです。コストやカイリを重視するならこのあたりを重点的に選ぶべきかと思います。
・STAMとeMAXIS
個人的には新興株と新興債を両者で分散しています。理由は新興株の1年と3年平均のように逆転することがあるためです。ただ新興債は(eMAXISの3年データがまだないですが)実質コスト以外の差が明確になりつつあると実感しています。JREIT、GREITは素の実力に加えて信託財産留保額が効いているのではないかと考えています。
(関連記事)
ベンチマークが配当を含むか含まないか
トラッキングカイリ率を調べてみる(2013年6月)改(追記)
1. 無題
株式のベンチマークは、配当込みを使うべきだと思います
GPIFの推計モデルが配当利回りを考慮しているからです
(第19回運用委員会(平成20年6月23日開催)
資料1 基本ポートフォリオの検証について P18
ttp://www.gpif.go.jp/operation/committee/pdf/h200623_appendix_01.pdf)
期待リターンを考える時は配当込で、乖離率を調べる時は配当抜きでは、
想定と実際が大きく異なってくるので、共に配当込とするべきです
配当込をベンチマークにしているのは
○○株式指数ファンド(三井住友アセットマネジメント)
インデックスe(三井住友トラスト・アセットマネジメント)
の2つです
これらから推測すると
日本株式は、信託報酬に、その他要因が0.1%
先進国株式は、信託報酬に、配当課税が0.3%、その他要因が0.3%です
(配当課税は、外国税額控除がされないことによる
配当利回りを3%、各国の課税を日米租税条約による10%と仮定)
先進国は、その他要因が大きいみたいです
新興国株式は、わたしのインデックスで、配当込と比べると
乖離率は2%弱もあるので、私は投資しません
また、GPIFも将来のための経験用にしか投資していません
債券は非課税が多いので、乖離率が測りやすく、
信託報酬以外では、時価評価差が原因のようです