上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)の配当関連について調べてみると3年以上前に議論されている話のようです。今さら感がありますが後学のため以下の記事を参考にメモします。
【現物拠出型ETFの問題点】
『海外株式の現物を拠出してETFを設定する・・・現物株の受け渡しが何らかの理由により失敗する・・・日本の現行制度上、現物株と現金双方を混合して拠出する仕組みのETFの組成ができない・・・今回のETFは現金設定・現金償還型のETF』
『国内の取引所に上場するETFは、海外居住者が海外から自由に売買できる・・・租税条約上の恩典を受けない高率な方を選択せざるを得なくなる・・・運用効率の低下を限定化するため・・・各国の株価指数先物と短期金利を使った運用を駆使する』
→現物の失敗リスクを回避するため先物を使う。また、現物では海外配当課税10%でいいところを30%を選ばざるを得ないため、それを回避するため先物を使う。
この部分だけで国内ETFの制度上の制約が多いことはよくわかりました。
【1681の運用の理屈】
『投資国に納める株式配当金に対する源泉課税分の目減りや株式の売買・決裁コストを限定化するため、投資対象各国の株価指数先物と金利運用を駆使し、現物株での運用と遜色の無い運用を目指す』
→仮に配当3%、海外配当課税10%、例えばeMAXIS新興株の実質コスト1%、1681の信託報酬0.25%として「配当-コスト」が釣り合う分岐点を求めると、
3×0.9-1=x-0.25
x=1.95%
1681はこれくらいの金利運用ができればeMAXISと勝負できることになると考えられます。
『指数先物価格と現物株価指数値、各国の短期金利の関係をうまく調整すると・・・現物株価指数の変動に源泉課税前の配当金が上乗せされたものになるというのが運用のエッセンス』
→今のところ配当分はほとんどうまくいっていないようです(3年で-6%。若干傾きが寝てきた気はします。下記の関連記事参照)。
『株価指数先物の理論価格 = 現物株価指数 + 先物満期までの短期金利収入 - 先物満期までの現物株価指数に対する配当金収入』
→先物と現物の価格は配当なしの現在価値ですよね?この式だけ見ると理論通りにいかない理由が短期金利収入が多いからなのか配当金収入が少ないからなのかわかりません。しかし少なくとも先物のような仕組みは仕組みを作った人間が儲けるためのものだと思うのです。
【先物とETFの問題点】
『先物運用では・・・限月切り替え(ロールオーバー)が必要・・・完全に模擬できたとすると・・・配当金込みMSCI指数値の円換算値に理論的には一致するよう近づくはず』
→文章中の"完全に"とか"はず"という時点で厳しそうです。
『ETFは一般原理として、中長期的に市場価格と基準価額との乖離が広がらないように変動するという仕組みを内包する』
→裁定取引ってやつでしょうか?
『市場価格が、基準価額の理論値に比べ、格安運用コストや海外配当金の源泉課税分以上に乖離することは常に起こり得る』
→上記のような低コストETFを実現しようとしている日興AMの努力が水の泡に・・・。
国内ETFの制度的に少なくとも外国資産は自重した方がいい気がします1550のようにマザーファンドを介した運用もできるらしいです。他にも外国籍のJDRがどうか等は今後注目していこうと思います。今回のまとめは以下のようにしたいと思います。
複雑なもの、理解できないもの、仮定が多いものには手を出さない。