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インデックス・ドライバー

イコールウェイトインデックスの合理性

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イコールウェイトインデックスの合理性

かなり重要なアイデアだと思いますのでNONAMEさんにコメントいただいたことをまとめます。

対数正規分布における「期待値(平均値)と中央値(確率50%)が一致しない」という事実は実に奇妙なおもしろさがあります。

市場を構成する各銘柄が大数の法則により同じリターンとシグマの正規分布でバラつくとします。運良く+2σや+3σをゲットした銘柄は指数関数で加速度的に上昇していき、資産価値全体の「期待値」を押し上げることになります。このため対数正規分布はリニアで左右非対称の分布になり「期待値」が「中央値」より大きくなります。(一部の人間が大半の富を持っているという世界経済と同じ状況になります。)

絵で表すと以下のようになります(μ=5%、σ=15%、n=20)。


この分布に等金額で投資する、つまり+2σや+3σだけでなく-2σや-3σの銘柄も含めすべてを均等に持つことで運の良い悪いに関係なく分布の「期待値」を得ることができます(正確には等金額のnが母集団に一致する場合。nが母集団より小さい場合は中心極限定理によりσ/√nの正規分布でバラつくはず)。「期待値」は対数正規分布の数学的な性質から「中央値」、つまり確率的に半数以上の"銘柄"の成績を上回ります(図の青と紫の線の違い)。

つまりEqual Weight Indexは「"銘柄数"に対しては統計的に勝率が高い」と言えます。また、"必ず"「期待値」を得ることができます。この2つはおそらく正しいと思われます。これらは証明というか結果の解釈であって対数正規分布の帰結とも言えます。時価で重みづけなどして分布のどこに来るかわからないポートフォリオよりも、「期待値」が確定していることは合理的です。

問題はこの"銘柄"の部分を"投資家"や"ポートフォリオ(インデックス)"に置き換えても成り立つかどうかです。

【仮説1】
個人的には時価加重など等金額以外のポートフォリオも「期待値」に収束すると考えています。対数正規分布に従う銘柄群をサンプリングした平均である無数のポートフォリオは、中心極限定理により「期待値」を中心とする標準偏差σ/√nの正規分布に近づくはずです。つまり正規分布では「中央値=期待値」であるため、銘柄群における「中央値<期待値」のような関係は成り立たず、等金額も他のポートフォリオも同値になると考えられます(正確には期待値を中心に五分五分になる)。

【仮説2】
しかしながら、例えば時価加重に代表される等金額以外のポートフォリオは、基本的に加重平均であり、特定の銘柄を複数回サンプリングしたものとみなせます(重複組み合わせ)。しかし、このような銘柄群の加重平均では標本平均(無作為抽出)である中心極限定理が成り立たない気もします。(仮に成り立ったとしても、加重平均は実効的なnが減少すると捉えられるのでσ/√nによる誤差低減の効果が小さくバラツキは大きいと思われます。また時価加重については割高銘柄を鷲掴みするという別の理由で下方カイリしやすいと思っています。)

そこで、あらゆる銘柄の組み合わせをあらゆる加重平均で構成した無数のポートフォリオもまた資産価値が対数正規分布するとします。この場合、銘柄と同じ議論から、等金額は「中央値<期待値」により確率的に半数以上の"ポートフォリオ"の成績を上回ると考えることもできます。時価加重など特定のポートフォリオが分布のどこに来るかは判断できませんが、等金額はポートフォリオの数だけで見れば上位に来ると思われます。しかし、その無数のポートフォリオもすべて平均すれば対数正規分布の「期待値」になると考えられます(等金額が期待値を得ることと同じ理由)。

この「ポートフォリオが中心極限定理で正規分布に従う」のか、あるいは「ポートフォリオも対数正規分布に従う」というクッションが入るのか、どちらが正しいか未だ確信に至りません(あるいはどちらも正しくないかも知れません)。EWI派閥としては後者が望ましいところですが、とりあえず前者としてまとめます。

【まとめ】
①イコールウェイトインデックスは資産価値の期待値が得られる 
②対数正規分布の「中央値<期待値」の性質によりイコールウェイトインデックスは過半数の"銘柄"を上回る(この"銘柄"が"インデックス"に置き換えられるかは不明)
③ただし他のインデックスの集合も期待値に収束する(中心極限定理)

ちなみにEWIの合理性としては、個人的には「シグマと相関係数のバラバラな市場でも等σ等相関における等配分の合成リスク最小化が大数の法則で近似的に成り立つことで単位リターンあたりのリスクが小さくなる」ということもありうるのではないかと考えています。

すると以下のように考えることもできます。

【仮説3】
各銘柄が等μ等σ等相関とする(現実にはバラバラだが大数近似的に仮定する)。このとき合成リスク最小は等金額。一方相加平均はすべてのポートフォリオで同等。すると期待値と中央値とのズレも等金額が最小になる。よって中央値同士の比較により等金額は資産価値でも過半数のポートフォリオを上回ると考えられる。

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