新興国リートの時系列が手に入らないので相関を求められず悶悶としています。
そこで何らかの方法で推定してみようと思います。
三菱UFJ投信の第2回ポートフォリオ対決の申請画面から以下のデータが得られます。
①各資産のリターン
②各資産のリスク
③合成リターン
④合成リスク
(いずれも2010/09/14〜2013/09/30の4ヶ月換算値)
一方同じ期間における新興国リート以外のデータはeMAXISからダウンロードできます。
⑤従来8資産の時系列→リターン・リスク・相関係数
【考え方】
新興国リートと他の資産との相関係数を変数とします。任意の組み合わせの任意のウェイトにおいて②のリスクと⑤の相関係数で合成リスクの式を立てます。合成リスクの結果は④で得られるので変数を解くことができます。
2資産なら1変数に対して式1つで簡単に求められますが、ポートフォリオ対決に3資産以上というルールがあるので新興国リートを含む3資産の合成リスクを考えるのが合理的です。変数が8個なので組み合わせを変えた8本の方程式を立てます。
まず3資産の合成リスクを以下のように書き換えます。
σf^2=W1^2σ1^2+W2^2σ2^2+W3^2σ3^2+2W1W2σ1σ2r12+2W2W3σ2σ3r23+2W3W1σ3σ1r31
→(2W2W3σ2σ3)r23+(2W3W1σ3σ1)r31=σf^2-W1^2σ1^2-W2^2σ2^2-W3^2σ3^2-2W1W2σ1σ2r12
→ax+by=c
xとyを変数とし、下記の組み合わせで連立方程式を考えます。新興国リートとの相関をそれぞれr91,…,r98とします。
【組み合わせとポートフォリオ対決の計算結果】
【連立方程式】
これを解き、相関係数の一覧をまとめると以下のようになります。
一応合成リスクを何通りか検算してポートフォリオ対決で表示される数値と一致することを確認しました。
新興国リートの相関は思いのほか小さくJREITと似たような振舞です。時期的にサブプライムやリーマンを含まないので三菱UFJ投信の資料(
pdf)に記載のあった数字(グロ株×新興R=0.55)より小さく出ています。期間が限られており長期的なバラツキの端を見ている可能性もあるので要注意です。
なおポートフォリオ対決をどうするかは別途記事にします。
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