前回の記事でポートフォリオ対決を等配分で行くことに決めました。そこで等配分の位置取りを検証するのに加えて、シミュレーションで見通しを確認しておこうと思います。
以前「
アセットアロケーションの決め方その2」で準乱数のモンテカルロポートフォリオ群を生成しました。この集合のヒストグラムを利用します。この時はウェイトの分解能を12.5%=1/8として、8資産から8個を選ぶ重複組み合わせ(8H8=6435通り)により均一なマッピングを考えました。
まず当時の8資産のリスクリターンを確認します。さらに、それらを単純平均したもの(相関係数=1)、6435通りのポートフォリオの平均(モンテカルロ平均)、等配分の3つを加えます。
【リスクリターンマップ】
モンテカルロ平均のリターンも単純平均や等配分と等しくなり均一なマッピングができていることが確認できます。そして、リターンが同じでもリスクが変わってくることが実におもしろいです。少なくともこの例では等配分のリスクがモンテカルロ平均より小さく合理的です。
【リターンの分布】
6435通りのポートフォリオのヒストグラムを取ったものです。3つの平均を表す3本の線は重なっています。また、おそらく日本株に引っ張られて微妙に平均値が中央値より小さくなっています。(※資産価値の対数正規分布とは違うものを見ています。)
【リスクの分布】
相関係数の効果によりモンテカルロ平均は単純平均よりリスクが小さくなります。等配分はさらに分布の端に寄っていることから、等配分のリスク低減効果がモンテカルロ平均より効率的であることがわかります。
【リターン/リスクの分布】
これもリスクと同じで等配分はモンテカルロ平均より優位になっています。ちょうど対数正規分布の中央値と平均値の関係に似ています。とは言っても等配分は上位35%程度なので1番にはなれないこともわかります。
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