この前チラッと触れたコスト配分均等型についてシングルカットします。
リスクリターンは変わり続けるものです。だから等配分が大数近似的に最大公約数的でBETTERという考えに落ち着いています。
一方コスト(信託報酬)はバラつくことのない定数です。投資においてほぼ唯一「絶対」と呼べるモノだと思います。
そこでリスク配分均等型のシグマをコストに置き換えるとどんな配分になるか確認します。
eMAXISの9資産を例にとります(国内資産:税抜0.4%、海外資産:税抜0.6%)。
【コスト配分均等型(eMAXIS)】
国内と海外の信託報酬比が2:3なので相対的な配分も2:3になります。配分の絶対値はトータルの信託報酬との割合で決まります。
さらに隠れコストやカイリ(配当源泉徴収含む)、信託財産留保額の基準価額押し上げ効果まですべて包含した「実質カイリ」の方がより好ましいと思います。ここで言う実質カイリとは運用報告書の費用明細ではなくベンチマーク(配当込み)とファンド基準価額の騰落率の差です(トラッキングカイリ率を調べたときの騰落率差)。設定からある程度時間の経ったインデックスファンドならリスクリターンより実質カイリのバラツキは小さいと考えられるので問題ないと思います。データは2013年6月時点の3年年率で、新興債のみ2013年9月です。EREITは新興債と同じと仮定します。
【実質カイリ(下方カイリがプラス)】
|
実質カイリ |
信託報酬 |
その他分 |
新興株 |
0.65% |
0.63% |
0.02% |
新興債 |
1.40% |
0.63% |
0.77% |
JREIT |
0.28% |
0.42% |
-0.14% |
GREIT |
1.38% |
0.63% |
0.75% |
EREIT |
1.40% |
0.63% |
0.77% |
日本債 |
0.45% |
0.42% |
0.03% |
グロ債 |
0.62% |
0.63% |
-0.01% |
日本株 |
0.43% |
0.42% |
0.01% |
グロ株 |
1.06% |
0.63% |
0.43% |
【実質カイリ・コスト配分均等型(eMAXIS)】
うーん、日本株とJREITこんなにいらないんですけど継続コストでは優秀なんですよね。JREITの実質カイリが信託報酬より小さいのは信託財産留保額(0.3%)の寄与だと考えています。グロ株とGREITは海外配当課税が効いていると思います。そして新興債は「へたくそ やめて かえれ」みたいな(グロ債が源泉課税なしに対して新興債は約10%)。しかもこれはeMAXIS限定なのでより低コストのインデックスファンドやETFまで含めると推して知るべしという感じです。
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