金融においてこれだけ「みんなハッピー」になれるものは他にないと思います。
例えば運用管理費用に代表される「コスト」が金融機関と我々とのトレードオフであるように、金融においては必ず登場人物間の利害関係が絡みます。
しかし分配金においては、この(毎月)分配という発明が
①金融業界にどれほどの収益をもたらしているか
②顧客にどれほどの精神的充実を与えているか
を考えると、その功績は計り知れないものがあると思います。たとえそれが幻想や勘違いであったとしても。
これだけなら我々インデックス投資家も「自己責任だから」でスルーできます。ところがその収益により
③インデックスファンドのコストも下げられる
としたら、分配にイチャモンをつける理由も資格も無くなってしまいます。
分配型の収益があるからインデックスファンドを維持できるのか実際のところはわかりません。しかし例えばシリーズ純資産合計1000億円目前のeMAXISでも平均信託報酬0.5%として5億円の収入しか入ってきません。利益率0.5%ってなかなか厳しくないでしょうか。さらにそれを三者で分け合う必要があります。もちろん製造業のように原価、設備投資、研究開発費が無いとすれば充分かも知れませんが。
ただし、配当収益を超える実力以上の分配で顧客を利用しようとすると途端にきな臭い悪者になってしまいます。また円単位でなく%単位にすれば少しはマトモな議論ができると思うのです。上述のように必ずしも「悪」だけではないのだから、使い方、使われ方を金融機関、顧客双方が履き違えないようにするべきです。
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