為替と株価指数との相関に続いて為替を含む株価指数同士の相関を考えます。
【MSCI JAPAN(円建て)とMSCI KOKUSAI(米ドル建て)との相関(2D)】
【MSCI JAPAN(円建て)とMSCI KOKUSAI(米ドル建て)との相関(3D)】
日本株指数であるMSCIジャパン(円建て)とグロ株指数であるMSCIコクサイ(米ドル建て)との相関を時系列で見たものです。タップ期間(計測期間)を1~5年で可変にして周波数依存を求めています。3D図は奥行き方向に期間が長くなっています。
期間を短くするほど精度を犠牲にして追従性が増します。逆に期間を長くするほどバラツキは減ります。
特に「1年」の線を見ると1~2年周期で上下動を繰り返しています。前回の米ドルと日本株との場合と異なりサブプライム・リーマンでも相関の変化は大きくないように見えます。これはあの時の変化の支配的な要素が為替だったことを示していると考えます。
以下は上記をフーリエ変換して周波数空間に置き換えたものです。横軸は周波数を周期で表しています。FFTのため時間的に新しい方から2^n=256ヶ月分をサンプリングしています。
【MSCI JAPAN(円建て)とMSCI KOKUSAI(米ドル建て)との相関のフーリエ変換】
空間周波数では「1年」の線の1.5年(約18ヶ月)あるいは3年半(約43ヶ月)の位置にピークが来ています。これは図のギザギザの周期とコンシステントです。またタップでなめるほど高周波成分の振幅が低下していくこともわかります。
次に、日本株指数であるMSCIジャパン(円建て)と為替換算後のグロ株指数であるMSCIコクサイ(円建て)との相関を時系列で見てみます。
【MSCI JAPAN(円建て)とMSCI KOKUSAI(円建て)との相関(2D)】
【MSCI JAPAN(円建て)とMSCI KOKUSAI(円建て)との相関(3D)】
周期や振幅、絶対値など全体として前回の米ドルと日本株との場合に似ています。サブプライム・リーマン頃に(円換算後の)株価指数同士の相関が強まったのは為替の寄与が支配的だったと考えることができます。逆にサブプライム・リーマン以前までの相関はMSCI KOKUSAIを円換算した方が全体的に低いように見えます。ただしMSCI KOKUSAIを円換算することにより振幅は大きくなっていることがわかります。
ここ数年の日本株は為替とリンクしているので日本株とグロ株との相関には「為替が自乗で効いている」というイメージです。
以下は上記のフーリエ変換です。
【MSCI JAPAN(円建て)とMSCI KOKUSAI(円建て)との相関のフーリエ変換】
周波数特性はMSCI KOKUSAI(米ドル建て)の場合とおおよそコンシステントかと思います。ただ全体的にパワースペクトルの強度が大きくなっているように為替換算によって変動が強まっていると考えられます。ピークは18ヶ月や21ヶ月、43ヶ月の位置にいるようです。
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