定性的ではなく定量的な議論を望みます。
定量的とはバラツキ等の事象を客観的な基準や原理原則に基づいて考察し表現するということです。リスクという言葉も定性的な意味では1か0かの危険性として使われますし、定量的な意味では標準偏差という具体的な数値として使われます。
定量的な議論という意味で、例えばこの式はシンプルな割に極めて重要だと考えます。
これはリスク(標準偏差)により期待リターンが損なわれることを表します。例えば株式は標準偏差が年20%程度なので期待リターンを2%ロスしていることになります。資産形成に与える影響の大きさから、投資商品や運用記録、アセットアロケーションと同様に議論されるべきものだと思います。
このような金融工学や数理ファイナンスではあたり前と思われる数式や概念が市場関係者に降りてきてほしい。具体的には下記の関連記事で取り上げた日経田村氏やニッセイ基礎研のような考え方が市場にも浸透すればよいと思います。
例えば数学や統計が無ければPCやスマートフォン等に使われている半導体は設計もできません(たとえ作れても量産バラツキが管理できないので今のコストでは無理だと思います)。技術(彼らの投資先)は進化しても市場(自分たち)は進化しなくていいという道理は無いはずです。インデックスは何度も甦ってきましたが、それは過去に学ぶことも無く同じ轍を踏んできた裏返しでもあります。それを改め、進化していくためには物事を定量的に捉え筋道だった対策を打つことが必要だと考えます。
上がった下がったの「バラツキ」に無責任な理由を付けてはぐらかす時代はそろそろ終わりにしていただきたいと思います。
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