以前「リスクコントロール指数」についてコメントをいただきました。リスクコントロールは統計インデックスに含まれるか、という趣旨の内容です。
個人的にリスクコントロールは統計インデックスには含まれないのではないかと考えている理由を確認しておきたいと思います。
【考察】
端的に言えば「現金で薄めているだけ」だからです。リアルタイムで自動的に現金比率を変えてトータルシグマを一定に保つこともある意味では「バラツキの管理」かも知れませんが、配当などのリターンも薄まるという「トレードオフ」の存在が、相関や誤差伝搬などの統計を駆使してシャープレシオ(相乗平均/シグマ)を向上させるという思想に合致しないのではないかと考えています(リスクを下げるためにリターンを犠牲にするか、リスクを維持したままリターンを向上させるか、という違い)。
言い換えればリスク資産の組入比率が100%ではないということになります。リスク資産/非リスク資産の配分はこちらで管理できるものなので、インデックスファンドは組み入れ100%にしてもらいたいという考えがあります。最小分散やイコールウェイトなどの統計インデックスは組み入れ100%で数学を駆使して如何にリスクを低減させるか、あるいは如何に(相加)平均を求める確率を向上させるかがテーマなので、リターンや配当を薄めるわけではありません。この点が最大の違いと認識しています。
そうするとバランスファンドに対する指摘と同じように「自分で組み合わせた方が安い」ということにもなってしまいます。またリスコンの利点の一つと考えられる常時リバランスで得られるリバランスボーナスも、相対的には市場変動やリセットのタイムスケール(頻度)に依存してしまうので、コストに比べれば不確定であることも事実かと思います。
図示するとこれがいちばんしっくりくると思います。
【リスクコントロール指数と統計インデックスとの違いのイメージ】
例えばリスコンのように現金で薄めると黒い線(L1)に乗り、統計インデックスのように相関やシグマを駆使すると緑の線(L3)に乗ります(1から-1までの色の違いは相関係数)。そこから自分で非リスク資産との割合を調節すれば青い線(L4)になります。それらの点の原点に対する傾き(シャープレシオ)は統計インデックスの方が基本的に大きくなっています。
【まとめ】
バーター無しで効率化を果たすことが統計インデックスの構成要件ではないかと考えています。
※あくまで個人的な解釈です。考え方はいろいろあると思います。
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