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インデックス・ドライバー

良いポートフォリオとは何か(リスク低減効率による定量判断)

ポートフォリオの良し悪しはどのように判断されるのでしょうか。私としてはポートフォリオ(アセットアロケーション)は個人で好きなように決めればいいものと思っていますが、一般論で「リスク水準を考えてポートフォリオを決める」と言われても具体的な基準がないと判断のしようがないと思います。

◆リスクに対するリターンの割合(S/N)が大きい
◆平均(相加平均)が求まる
◆ロバスト性(構成要素の変動に対して全体の変動が小さい)を備える
・・・

など、「良いポートフォリオ」の定義にはいろいろあると思います。

しかし、例えば定量アルゴルを駆使して有効フロンティアのパレート面に乗せようとしたり、S/N(傾き)最大にしようとしても、統計量のうちリターン(相乗平均)はサンプリングタイミングバラツキが大きい。またシグマ(標準偏差)は途中の過程がすべて寄与するのに対して、相乗平均は途中経過によらず最初と最後だけで決まるため、なるべくリターンではなくシグマで考えたいところです。

ここでは「良いポートフォリオ」の一例として、バラツキが相対的に小さい「リスク」の低減効率が高いポートフォリオを挙げたいと思います。さらに、「リスク低減効率」の定義はいくつかあると思います。

シンプルに考えれば、例えば相関を考慮しない単純な加重平均リスクと相関演算後の合成リスクとの「差分」あるいは「割合」が最も大きくなることが「効率的」ではないかと思います。

合成後のリスクそのもので考えないのは、目的関数としてのリスクの絶対値に引っ張られないようにするためです(単純にシグマを小さくしようとすると日本債が支配的になりリターンが要求水準に足りなくなることが想定される)。

また、いわゆる「リバランスボーナス」(これが正式名称かは知りませんが)もボーナスという名は付いていますが本質はリスク低減の効率を表す尺度と考えています。この指標はリスクを「消失リターン」に置き換えてポートフォリオの効率性を議論するものと捉えられます。「リバランスボーナス」はイメージ的には単純に加重平均した分散と相関合成後の分散との差分です。

なお、本件は「最適化バランス」という割とポートフォリオの特性に幅があるシリーズが出てきて、リスク低減の面から見たらどうなん?と思ったので確認したい意図があります。いくつかのバランスファンド(+私の疑似均等型)のポートフォリオをもとに統計量を確認したいと思います。データはmyINDEXさんより2016/2/Eの値を使用させてもらっています。

【リスク低減効率テーブル(相乗平均をデータ期間に合わせて換算)】


【リバランスボーナスプロット】

【リスク低減率(割合)プロット】

【リスク低減率(差分)プロット】

テーブルだけではわかりにくいこともプロットすると視覚的に入ってきます。パッと見では均等型でnが多いほど「リバランスボーナス」「リスク低減率(割合)」「リスク低減率(差分)」とも大きいようです。現実には個々の資産が大数近似できないので極値は取れないですが、少なくともこれだけを見ると理論から想定される通り8資産均等が効率よくリスクを低減させていると考えられます。

なお「ST」は「セカンドトップ」ではなく「ストライカー」です。また「MF」は疑似均等型に似ている気がします。

次に「リバランスボーナス」と二つのリスク低減率との相関を見てみます。

【相関プロット@リバボ×リスク低減率(割合)】

【相関プロット@リバボ×リスク低減率(差分)】

「リバランスボーナス」は分散(標準偏差の自乗)の差の次元だからか、標準偏差の差の次元である「リスク低減率(差分)」とそれなりに相関があるようです。「リスク低減率(割合)」はなんとなくといった程度でしょうか。

最後に「リバランスボーナス」「リスク低減率(割合)」「リスク低減率(差分)」と合成後のシグマ(標準偏差)との相関を見ておきたいと思います。

【合成シグマとの相関プロット】

まず、合成リスクと「リスク低減率(割合)」にはけっこうな相関があるようです。これは日本債のシグマが小さくかつ他の資産との相関が小さいという投資環境に依存する部分が少なからずあるのではないかと考えています。現実の構造がそうなっているのは認めざるを得ないとして、構成要素のパラメータがランダムならばおそらくここまでの相関はないはず(simなどで確認する予定はありませんが)。

残りの組み合わせでは「リバランスボーナス−シグマ」はなんとなく、「リスク低減率(差分)−シグマ」は無し。ここで挙げたファンドだけ見ると、合成リスク12%前後のポートフォリオが双方の指標とも相対的に効率が良いようです。

【まとめ】
シグマとその低減効率という「複数の視点」でポートフォリオを捉えることも資産運用において大切なアプローチではないかと考えています。

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