「期待しすぎないこと」
【期待しないこと】
はじめからインデックス投資には期待していなかったのかも知れない。
そう、運用成果についてははじめから期待していません。もともと期待値は年率5%程度、そこからコストなりトラッキングエラーなり課税なり市場変動(シグマ)によるロスなりで残るのはそう多くありません。確率的にはアウトプットがマイナスで終わる可能性もゼロではありません(参考「
長期投資における元本割れの確率」)。
「平均」を得る、という思想は大きなキックバックを期待するものではありません。しかるべき行動を取ってまっとうな結末を迎える、ただそれだけでした。
インデックス投資に興味を持ち調べ始めると、ネットや文献の情報にバイアスがあったり、調べる側も自らの目的を補強するような情報を探しがちになり、それらの情報が錯綜した結果、インデックス投資を錯覚してインデックス投資に過剰な期待をしてしまう恐れがあります。
『何もしなくても儲けられる』と。そうすると少しの下落で何もできなくなり、年率数パーのタイムスケール前提に対して短期で大きな結果を求めたりと、バラツキに対応できなくなる(参考「
長期投資とインデックス投資に対する幻想」)。
そう、余計な色(感情)を失くすためにサングラスをかけることがインデックス投資を永く続けるコツと考えています。いや、インデックス投資そのものが外乱を抑制する「サングラス」ではないかと考えています。
【期待すること】
5%のシグナルに対してエラー20%と悪すぎる「S/N」を少しでも改善し未来の不確定性を低減する、という目的で変動を定量的に捉えることを望んでいます。市場ノイズに立ち向かう機械的なサングラスとしての機能も。統計インデックスは純粋にロジカルな客観性を求めて進化しようとしているだけなのに、『スマートベータ』とかよくわからない括りにされているのは残念に思います。
フリースタイルスキーもおそらく最初は邪道とされていたと思いますので、それと同じなのかなと思います。でも今では(さすがに硬派な八方では私のようなチャラいフリースキーはほとんど見ませんが、おとなりのHKB47では)割と浸透してきていると思います。主にパークと痛板の両面で(参考「
雪山インデックス2016I -白馬八方尾根&HKB47-」)。
【まとめ】
期待値は預金とかより全然高い、でも常に市場心理に振り回されながら確率的には負にもなりうる。これらを総合して「やらないよりはマシ」というくらいに構えておいた方がよいと考えています。
その中で地道なS/N向上など、できることを続けていけば、どこかで結果に出会えるから。
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