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インデックス・ドライバー

インデックス投資は「マイナスサムゲーム」かも知れない

※画像はルスツスキー場のツリーランエリアのモノクロ仕様です。

インデックス投資の「迷いの森」シリーズ第1弾。

※ちなみに「迷いの森」といったら私はスーファミの「マ●オワールド」を思い出します。本体と一緒に最初に父親に買ってもらったことを覚えています。


【考察】
インデックスには「配当」があります。例えば日本株やグロ株で年率2%前後でしょうか。

他方、インデックスには変動による「シグマ(標準偏差)」があります。例えば日本株やグロ株で年率20%前後でしょうか。この時「シグマによる相乗平均リターンの損失(消失リターン)」は「(0.2^2)/2=0.02(2%)」にものぼります。

例えば量産品の検査のように個々が独立ならバラついても他に影響はないのですが、株価指数の騰落率のように前の結果を基準とする微分値である場合、つまり前後に掛け算の因果関係がある場合は減価します。その定式化やグラフ化、実績確認などは過去にやってきたので割愛します。

「配当」と「シグマによるロス」を天秤にかけると、キャンセルどころか「ボラティリティ」によっては配当側の分がわるいように見えます。例えばレバレッジETFの売買高等を鑑みると、どちらかというと市場は高いボラティリティを好むように見えます。そしてリターンのロスはシグマの自乗で効いてきます。

さらにインデックスファンドではここに「コスト」が上乗せされます。

このことから、「ゼロサムゲーム」を通り越して「マイナスサムゲーム」と表現してみました。

ではインデックス投資の未来の期待値に根拠を与えるドライバは何なのか。配当を除けばいわゆる「世界経済の成長」でしょうか。それとも「過去データが右上がりだから今後も続くと思われること」でしょうか。

注意したいのは、成長の原動力となりインデックスを押し上げるのは市場や市場平均ではなく投資先の企業の従業員ということです。僭越ながら私も株式会社の一歯車として働いています(その一方でインデックス投資により自社や他社の株式に出資しています)。

しかしながら、世界中の人々が懸命に働いているのだとしても、世界の成長が続くことは誰が保証してくれるのでしょうか。その確証が得られないとインデックス投資の希望は過去の実績のみになってしまいます。

【まとめ】
もともとインデックス投資は「配当があるから期待値がプラスの投資行動であり合理的」と思っていました。しかし、シグマを放置しておくとそれは必ずしも正しくないのかも知れません。

インデックス投資は「コスト」だけでなく、「指数の品質(シグマ、配当)」や「シグマの定量性(確率分布、相乗平均ロス)」にも着目するのがよいと考えています。市場は「一度下がってから戻ってくる力(消失リターン)」を前に進むために使わないですかね。

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コメント

1. 無題

バックテストになりますが、そのマイナスサムロジックは過去100-200年ほどの世界を説明できているのでしょうか?
マイナスサムというモデルが、現実世界に当てはめて現実世界と合わない場合、モデルが間違っているんじゃないかと思うのですが、ロジックで現実世界を説明できているかの検証はされましたでしょうか?

2. >吊られた男さん

コメントありがとうございます。

>バックテストになりますが、そのマイナスサムロジックは過去100-200年ほどの世界を説明できているのでしょうか?

あくまで「かも知れない」ということでご勘弁ください。過去の実績が右上がりなことは私も承知しています。例えば、

「インデックスは滅びぬ。何度でもよみがえるさ!」
http://indexdriver.blog.shinobi.jp/Entry/812/

配当やシグマによるロスの成分は分離できておらず申し訳ありませんが。

本記事の趣旨は、「配当」と「リスクによるロス」と「コスト」を除いた右上がりの線、つまりおっしゃるバックテストは過去の実績に由来するものであって、未来への確証を担保するものなのか、ということを提起したものです。

>ロジックで現実世界を説明できているかの検証はされましたでしょうか?

上記の通り、現実実績の成分分離はできておりませんが、少なくとも実指数の相加平均と相乗平均に乖離があることは検証しています。

リスクによるロスの確認
http://indexdriver.blog.shinobi.jp/Entry/811/

20年程度ですがここから配当とコストを減算すればいわゆる「世界経済の成長」の結果であって、その成分は例えばグロ株では1.5σ程度の精度でプラスであったと推定されます(これだけだと日本株は現実でマイナスになりそうですがサンプリングタイミングや期間にも依存すると思います)。

あくまで本記事の趣旨は、そのプラスと推定される世界経済の成長が、過去データに過ぎず期待リターンとして保証されないと考える場合に「マイナスサムかも知れない」ということであるとご理解いただけるとありがたいです。

3. 無題

人類がいずれ滅びるだろうことを考えると(少なくとも太陽に地球が飲み込まれる時期にはアウトか)を考えれば、100%確実に成長するという保証はないでしょうね。数年後に隕石衝突で滅びるかも。

4. 世界の人口動態について

世界経済の成長の源泉はなんでしょうか?

100-200年間にわたり産業革命以降人口は爆発的に増えていきました。人口の増加、労働者の増加、消費の増加は経済を支え、年率9%ほどで指数的に増加してきました。

現在はどうでしょう?
人口は増えるか?
65歳以上の人口はこれから50年以上増えていきます。一方若者や労働者の数は減少していきます。
社会保障にかかる負担が増えて経済成長できるのでしょうか?

人類は年をとりすぎました。今はまだ40代でなんとか働けますが将来ちゃんと働けるのでしょうか?

アメリカの国債金利が成長の限界を示してます。

今迄若い頃は成長できたけれど、歌にもあるように
No one lives forever
です。

5. >名無しの投資初心者さん

コメントありがとうございます。

財政、高齢化といった社会構造の他にも資源・エネルギー(原油、メタル等)の枯渇、環境といった問題がありますね。私も世界がどうなるかはわかりません。ただ、なかなかに将来は厳しいものであると感じています。

私も微力ではありますが社会の歯車として働いていることと、ある程度の有意性で過去の実績があることからインデックス運用を行っています。しかし市場や世界経済任せではなく、それ以外にも定量的に考え対策を打つことで効率化を図り、未来の確度を上げたいと思っています。

6. 無題

インデックス投資のリターンの源泉はリスクプレミアであると考えられます。
従って、必ずしも経済成長は必要条件ではないはずです。

7. >dellさん

コメントありがとうございます。

「リスクプレミア」とは「リスクが高いほどリターンも高いはず」という理屈のことでしょうか(「リスクを取る分だけ要求される超過リターンのこと(iFinanceより)」)。

その「リスク」が高いほど(相乗平均)リターンが低下することを数学的に示したのが本文中の「シグマによる相乗平均リターンの損失(消失リターン)」です。つまり、その「リスクプレミア」を含めて「マイナスサムゲームかも知れない」と考えています。

逆に「リスクプレミア」の源泉は何なのでしょうか(「リスクプレミアム」は実証されているのでしょうか)。少なくともインデックス投資の教科書である「ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第9版)」P.279では「ベータとリターンとの関係はフラット」であることが示されています。

あるいは、市場が正しい価格を付けられないなら経済成長しても指数は上がらないでしょうし、経済成長しなくても指数は上がるかも知れない、という考え方もあるかも知れません。

8. リスクプレミアムの源泉

リスクプレミアムの源泉は、人がリスク回避的であるという前提そのものにあります。人がリスク回避的であるとすれば、期待利益が同じでも市場はリスクの大きい方をディスカウントして評価します。従って、リスクが高いと考えられる投資の方がディスカウントして評価されているぶんリターンが高くなります。逆に言うと、人がリスク回避的に行動せず、リスクの高い投資をディスカウントして評価しなければ、リスクプレミアムは生まれませんし、マイナスにもなり得ます。
株が債券や預金より期待リターンが高い根拠はこのリスクプレミアムにあり、インデックス投資がリスク資産への投資で目指すのはこのリスクプレミアムの獲得であると考えられらます。人がリスク回避的でなければリスクプレミアムは生まれない点には注意が必要ですが、リスクに見合うリスクプレミアムが存在すれば、インデックス投資において経済成長は必要条件ではないはずです。経済成長はそれが市場に織り込まれていれば期待リターンに影響しません。

9. >dellさん

私が「リスク回避的」とか「織り込み」とか金融特有の考え方に疎く恐縮ですが、「リスクの度合いに応じて人間が無からリターンを生み出している」ということと理解すればよいでしょうか。

おっしゃる「リスクプレミアム」が、シグマ(標準偏差)で減価する以上に高リスクで高リターンが得られ、人間の「リスク回避的」という前提が実証されるならば、おっしゃるように経済成長は必要ないと思います(減価することが広く知られているレバレッジETFの売買高等を見るとむしろ「リスク選好的」のようにも思えるのですが)。

しかし、それを主張するためには「リスクプレミアム」の存在を示す必要があるように思います。例えば債券より株式の方がリターンが高かったという過去実績に立脚するのでしょうか。そうすると経済成長と似たような論法(過去データは未来を担保するのか。誰が保証してくれるのか)になってしまうような気がします。

少なくとも私は不確定な仮定や期待、願望、また過去実績によらず定量解析可能なもので議論するのがより好ましいのではないかと考えています。

>経済成長はそれが市場に織り込まれていれば期待リターンに影響しません。
その「織り込み」というのも「市場がそうだから」で終わりではなく、「どのようにどれくらい」といった定量性を示さないと、いつまで経っても仮定のままで終わってしまうのではないかと思います。

10. リスクプレミアム

リスクプレミアムについては、ネットで検索すればいろいろ出てきますよ。ただ、リスクプレミアムを直接知る方法はなく、いずれにしても推計値(しかも、信頼度はあまり高くない)になります。
ただ、リスクプレミアムが存在しないと考えるなら、リスク資産への投資はただのギャンブルになり、リスク資産に投資する合理的根拠は失われます。

11. >dellさん

過去実績以外に根拠が無い、または根拠が示せないものは「願望」であって「無いに等しい」と考えると、本記事の趣旨(マイナスサムゲーム)に合致すると思われます。「織り込み済み」等の言葉で定量的な説明を回避することもそれに該当するのではないかと思います。

「リスクプレミアム」が存在しなくても少なくとも配当や利子はあるので、私はリスク(シグマ)とコストを抑えれば、インデックス投資はなんとかプラスは維持できるのではないかと考えています。

12. リスクを抑えるなら為替ヘッジ

リスク資産のリターンがプラスでも、無リスク資産より期待リターンが高くなければリスク資産に投資する意味はないのではないでしょうか。

ところで、リスクを抑えるということで言えば、まず行うべきは為替ヘッジではないでしょうか。数年前の外債に関する為替の議論で、為替リスクはリターンを生まないことが確認され、多くの投資ブロガーが外債投資をやめたにもかかわらず、外国株については為替ヘッジをせず鷹揚に為替リスクをとっている現状に、私はたいへん疑問を感じています。

13. >dellさん

意味がないと考えれば(そのような無リスク資産があれば)リスク資産への投資をしなければよいと思いますし、為替ヘッジもコストが成り立つなら手段の一つとして活用すればよいと思います。

私の場合は外債を分散先のN増しという意味で使っていますが、その資産のリスク全体に占める為替リスク成分の相対的な大きさを考慮して採用不採用を決めるという考え方もあるかも知れません。何事も自己の責任において自由に判断すればよいことと考えられます。

14. 配当を特別視するのは変では?

世界経済が成長しなくても株の期待リターンがプラスである状態は十分考えられると思います。

成長機会のある会社(株式全体と考えても良いですが)は、さらなる成長のために利益の一部を(まぁ平均2%くらいを)配当金として出して、残りを内部留保するわけですよね?
PERが16倍とすると企業全体の収益(益利回り)は6%くらいで、
その2%は配当という形で外に出てきて、残り4%はさらなる成長のために再投資されているわけです。

しかし経済成長の無い世界になり、再投資機会がなくなったとすれば、(それまではさらなる成長のための内部留保を許していた)株主は全額配当を要求するので、
配当利回りは益利回りと同じ6%になるのではないでしょうか?

15. >ロボたいしょうさん

世界経済が成長しない時の益利回りがどうなるか私にはわからないのですが、経済成長と益利回り(内部留保)との関係が明らかで、成長なしの時のそれが現在と同程度に期待できるなら期待値は上がると思われます。

シグマとコストで削られても残るくらいの配当があれば「マイナスサム」を回避できると考えています。ここでは確実に指数に反映されるという意味で配当としています。

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