マンスリーで検討したインデックスの配当成分と変動成分の関係について、分解能を上げて配当加算日の特定と配当加算月における月内変動の確認、やるだけやってみました。ただしMSCIのデイリーだとデータ取得が最長で5年までしか遡れませんでしたのでその範囲での話です。
【①配当加算日の特定】
「
インデックス投資における配当成分の定量化」における微分形の成分分離(Gross-Price)を日単位で実施した結果です。対象は「MSCI JAPAN」の時価加重、最小分散、高配当で期間は2011/08/26から2016/08/26の5年間。
【配当の成分分離(MSCI JAPAN、デイリー、微分形)】
【確認事項】
基本的に加算日は26日で、このデータ範囲内では遅くとも29日までには完了するようです。なおこの配当加算日はあくまで指数の話であって実際のファンドでどうなっているかは未確認です。
【②配当加算月の月内変動の確認】
「
インデックス投資における配当成分と変動成分との相関」における「日本駐車場開発(2353)」のような株価(指数)の推移を月ごとにデイリーで分解、可視化。主要な配当加算月である3月/9月の月内変動が「日駐」ライク(上がって下がる)なのかを確認する目的です。
指数は「MSCI JAPAN」の「高配当(ハイディビデンド)インデックス」で2011/08/26から2016/08/26の5年間(MSCIではこれ以上遡れなかった)。マップは横軸に日付、縦軸にそれぞれの年、月の月初の値で規格化した「Price」での変化率を取って1月から12月まで並べています。
【月ごとの指数変動マップ(MSCI JAPANハイデビ)】
【確認事項】
着目する3月と9月はなんとなく26日まで上がって27日以降が下がり気味な気がします。これがいわゆる「配当落ち」でしょうか。マンスリーではただの「ノイズ」である配当取りや優待取りのための価格変動成分は、デイリーではなんとなく上がって下がるように見えるようです。
突発的なイベントにおけるテイルリスク型の暴騰暴落とは違い、権利確定月など事前にFIXされた時期に起こりうる再現性のある変動、これがインデックスの「固定パタンノイズ」として考えられるでしょうか。でもまあたった5年で議論できるような統計ではないですね。
あと3月/9月に限らず全体的になんとなく月内で右上がりが多いような気がします。というのも2011年からのこの5年間は一方的に上昇した成分が支配的と思われるので、やはりもっと過去に遡って精度を上げたいところです。
【まとめ】
ランダムな変動なら積立している限り1ヶ月シフトするだけなので気にすることでもないですが、固定パタンノイズとして有意差があるとしたら気持ち悪いですね。
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