インデックスの配当成分と変動成分に絡んだ固定パタンノイズの解析ですが、MSCIのデイリーだとデータ取得が5年で精度が不足しましたので、もっと長い期間の得られる日経平均株価でも検討してみます。
【①配当加算日の特定】
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インデックス投資における配当成分の定量化」における微分形の成分分離(Gross-Price)を日単位で実施した結果です。対象は「日経平均株価(日経平均トータルリターン・インデックス)」で期間は2013/01/04から2016/08/26の約3年半。
【配当の成分分離(日経平均株価、デイリー、微分形)】
【確認事項】
日経225も基本的に加算日は26日で、このデータ範囲内では遅くとも29日までには完了するようです。なおこの配当加算日はあくまで指数の話であって実際のファンドでどうなっているかは未確認です。それにしても前回のMSCI JAPAN3種と重ねればわかりますが日経平均って配当少ないんですよね。
【②配当加算月の月内変動の確認】
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インデックス投資における配当成分と変動成分との相関」における「日本駐車場開発(2353)」のような株価(指数)の推移を月ごとにデイリーで分解、可視化。主要な配当加算月である3月/9月の月内変動が「日駐」ライク(上がって下がる)なのかを確認する目的です。
指数は配当なしの通常の「日経平均株価」で1984/01/04から2016/08/26の約32年半(米国Yahooより)。マップは横軸に日付、縦軸にそれぞれの年、月の月初の値で規格化した変化率を取って1月から12月まで並べています。
【月ごとの指数変動マップ(日経平均株価)】
【確認事項】
はっきり言って何が何だかわからないプロットです。上昇下降、月によらずバラバラのランダムで有意差が見出せません。このままでは着目する3月と9月において26日まで上がって27日以降が下がり気味ないわゆる「配当落ち」の傾向はよくわかりません。
【月ごとの指数微分マップ(日経平均株価)】
【確認事項】
単位時間当たりの指数の微分値、つまり一日当たりの変化率(騰落率)を横軸に日付でプロットしたものです。こうすると幾分すっきりしてきます。3月の27日以降が下がり気味の傾向がありそうな気がします。
【月末微分値のヒストグラム(日経平均株価)】
【確認事項】
そろそろめんどくさくなってきたので、最後に各月の◯日から△日までの変化率を平均してさらに1984年から2016年まで平均してその平均変化率のヒストグラムを算出することで固定パタンノイズを抽出することを試みています。
「27-31平均」と書いた27日以降のいわゆる「配当落ち」が3月(黄色)、9月(紫色)の左側の裾で若干見えているか。「22-26平均」「1-21平均」と書いた26日までの「権利確定」までは3月はやや右側の裾が太っているか(「1-26平均」では見えなくなる)。「22-31平均」「1-31平均」と書いた月内の平均に対してはほぼ有意差なし。
【まとめ】
相変わらず精度不足の中途半端な解析でお恥ずかしい限りですが、なんとなく3月と9月は「日駐」のような「配当利回り以上に昇降」という「固定パタンノイズ」の傾向が無きにしも非ずといったところでしょうか。市場の「マネーゲーム」には巻き込まれたくないものです。
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