非課税口座の運用をどうしようかと思って調べていた時に違和感を感じたのが以下の数値です。
【SBI証券のファンド検索より】
たしか同じ日に同じ4資産均等型バランスとして設定されたこの両者、ニッセイの方が低コストだったのに成績は逆なのが気になりました。
そこで両者のリバランスボーナスを解析してみました(バラとバランスのマザーファンドが同じことは確認済み)。スパンは2015/08/27-2016/12/29、20日タップローパスフィルタ。
【リバランスボーナス(eMAXIS4)】
【リバランスボーナス(ニッセイ4)】
【考察】
eMAXIS4はリバランスボーナスの理論値をおおよそトレースし、リバランスボーナスの数学的な特徴である「常にプラス」を維持しています。この「リバランス追従性」の傾向はeMAXIS8とコンシステントです。一方ニッセイ4はうまくトレースしているとは言いがたく、値がマイナスをとることもあります。
リスク管理を行う上でバランス型は有効な手段の一つと考えていますが、リスク制御の指標である理論値をトレースしていないということは我々の期待する運用ができていないのではないかと懸念しています。この結果が運用会社にとって想定内なのか想定外なのか知りたいところです。
またこの期間、この資産の組み合わせに限れば、eMAXISは単品よりバランスの方がトータルリターンは良く、ニッセイはほぼトントン。
同じ4資産均等バランスファンドでもこのような違いがあるのは興味深いと思います。
確かニッセイの運用管理費用の引き下げが行われた時、単品のみが対象でバランス型はそのままだった気がします。ゆえに2015/11/21以降は「リバランスボーナスの実測値」「損益」とも0.15~0.2%程度の下押し要因(下方シフト)になっていると思われます。これが、リバランスボーナスは負をとりえないのにマイナスを跨いでいることの原因の一つと考えています(ただし主要因は運用だと思います)。
なお、コストは「シグマ(標準偏差)」や「単品の相乗平均から求めたリバランスボーナスの理論値」、「単品とバランス型のシグマから求めたリバランスボーナスの理論値」には影響しないと考えています。またeMAXIS、ニッセイのそれぞれで求めた理論値がほぼ変わらないのが興味深い点です。
以上は自社ファンド内で閉じる話です。特に「アチャー」という感じで痛いと思うのは、
「低コストの効果が出ていないこと」
以下はeMAXIS4をベースとした規格化基準価額比です。
【規格化基準価額比(eMAXIS4基準)】
コストやカイリ、運用の違いなどを全部ひっくるめたトータルリターンの差です。信託報酬に0.2%近い開きがあるにも関わらず、トータルリターンは現時点で0.2%程度の逆ザヤとなっています。もちろんこれはファンド間の相対値しか見ていませんが、リバランスボーナスの応答性を踏まえる限り、管理費用を除いた指数への追従が信頼できるのはeMAXISの方と考えています。
頻繁なリバランスはコスト高になるとか等の理由であまり厳密にリバランスしないとか裁量や自由度について各社方針があるかも知れませんが、それが基準価額に反映されなければコストが低くても意味がないのではないでしょうか。あるいは純資産額が増えれば解決するような問題なのでしょうか。(これは単品の変動による資産ズレに対するバランス型のリバランスの話なので、グロ株のようなトラッキングエラーとは事情が異なるのではないかと考えています。)
インデックスファンドの場合、表面的なコストが低くても、コストメリットが基準価額に正しくフィードバックされないと「コストで釣っているのではないか」といった懸念も出てくると思いますので、信頼性という意味で運用の品質はコスト以上に重要と考えています。
コストの低下を望むのは指数からの乖離をシュリンクするためであり(インデックスファンドはコストの分だけ配当込み指数から必ず下方乖離する)、結果的に基準価額の相乗平均リターンも改善するはずなのに、より高コストなファンドの後塵を拝するというのは本末転倒と考えられるからです。
モノと同じで「スペックが高くても使い勝手が良いとは限らない」のと似ていますね。まあ、コストも運用の質の一つという捉え方もあるかも知れませんが、プロなら結果(アウトプット)へのこだわりも求められるはずです。
【まとめ】
コストだけでなく運用品質も投資成果に関わってくる重要な例だと思います。単資産のインデックスファンドにはないバランス型の難しさでもあると思います。やはりインデックスファンドは「コストだけで判断してはいけない」ということを改めて痛感します。
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1. 無題
上記の2つは,日本株・先進国株・日本債・先進国債の4均等が含まれており,加えて株式などと上昇具合にずれがある内外リートも半分ずつ含まれている点が底堅さを支える感じがします。世界経済もセゾンバンガードも株式と債券が半々なことのメリットよりも,為替の影響がただただ大きい印象です。同じ地点にいくための上がり下がりが無駄に大きい感じです。
信託報酬や資産配分をあれこれ考え続けるよりも,SMTかeMAXISあたりでもいいので,当初に可能な限一括投資を行い,後は積み立て続けて忘れるくらいが,結果的な投資上級者のような気がします。