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インデックス・ドライバー

トレース信託報酬

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トレース信託報酬


eMAXISが運用管理費用において「業界最低水準を目指し続ける」新しいインデックスファンド(サブシリーズ?)を設定したとのこと。確定的な情報が少ないので三菱UFJ国際投信のリリースを見た雑感にとどめます。

※ちなみに画像は白馬八方尾根スキー場の「裏スカイライン」と呼ばれているらしいコースの新雪時のものです。


市場トレースの時価加重で信託報酬も業界のミニマムをトレースする・・・ある意味パッシブ投資の到達点でしょうか。要は「コバンザメ戦法」ですよね。前の人の後ろにピタッと張り付いてパワーをためて最後に差し切る(この場合は管理費用が他社のミニマムと常時イコールになるということでしょうか)。

なので後ろにつかれた側は「一番」とか「最安」とか言いにくくなるし扱われにくくなる(あくまで「~の一つ」)。そうするとつかれた側もヤル気がなくなるのではないか。

あるいは「飽和」「釣り合い」「アンリミテッド信託報酬トレース」という表現もできると思います(こういう機構でロックする仕組みってありませんでしたっけ?)。

あと、後ろにつく側も「自発的に下げようとはしない」ことを暗に意味していると感じられます(←これポイントだと思います。「スイッチ・フリーライド(負けない投資)」らしい後ろ向きな考え方)。

また、以下のシナリオは考えられないか。管理費用が同等になると次は実質コスト(その他経費)が注目される。しかし実質コストよりトラッキングエラーの方が目立つのでそちらが着目されるようになる。そうすると運用会社も運用品質について無視できなくなるのではないか。

それはそれでインデックス投資の品質向上という意味で好ましく、指数特性の進化まで見越すとコスト競争より望ましい競争だと思います(非時価加重インデックスはトラッキングエラーが発生しやすいと考えているので、そこに知見や対応をフィードバックしてほしい)。

個人的には「連動指数そのものの改善(→定量化)」まで視野に入れて低コスト化や連動品質向上を検討していただきたいと考えています。

あと管理費用体系に「純資産総額に応じた逓減措置」が設けられている点は好ましいと思います。ただしそのしきい値が現実的か、逓減幅が効果的かは置いておいて。個人的には投資信託の進化の一つとして「個人で保有した期間に応じて管理費用が逓減する機能」があったらいいなと思っていますが、実現可能性として純資産額の方が実装しやすいのでしょう。

あと関連していくつか疑問に思った点です。

①なぜ既存ファンドの管理費用を下げないのか?
2009年に登場して以来投資し続けてきた既存ユーザーの運用コストは現状のままでいいのか?今回のコストダウンが顧客のためならそこにメスを入れるべきでは?誰の何のための低コスト化?

懸念しているのは乗り換えの頻発。乗り換えを推奨するのは残された人に売買コスト負担を強いるのであまり好ましくない(信託財産留保額がなければ)。それを運用会社が率先してやる構図になっている(携帯会社と同じで古くからの継続ユーザーより新規や乗り換えを大事にするイメージでしょうか)。

まあ昨今の低コストファンドが乱立している状態で今もeMAXISやSTAMで運用している人はこれからも変えないかもしれませんが(私も含めて)。

前に書いたことがありますが、同じ運用会社で同じインデックスに連動するファンドが異なる管理費用で複数存在する状態って何なんでしょうね。似たようなファンドの乱発もそろそろ終わりにすればいいのに。

②基本4資産以外のアセットやバランス型は放置プレイ?
私は主に新興株、新興債、リート、eMAXIS8、eMAXISMでeMAXISを使わせていただいていますが、見事に対象外ということで「蚊帳の外」という感じは否めません(ちなみにグロ株と日本債はSTAMです)。基本4資産が実施できて他が実施できない理由があるなら知りたいですね。「eMAXIS8改」なんて出る気がしませんし。

イーマクシスもスタムも別に「最低」を目指さなくても既存ファンドを0.1%でも引き下げてくれるだけでこちらとしては非常にありがたいのですが。表面上のコストが低くてもカイリなど「クオリティ」にエクスキューズが付いたら本末転倒ですし、我々は「インデックス投資」をしているのであって「低コスト投資」をしているわけではないですから。

③「イーマクシスプラス」はどうなった?
コモディティが登場して以来進捗がありません。どこも運用管理費用を下げることはこだわりを感じますが、定量性を導入したり指数の特性を改善させるという方向には行かないんですかね?イーマクシスプラスにはそれを期待していました。

現時点でイーマクシスの最適化バランス(「二列目のマジシャン」)、スタムの増配インデックスなど無いことはないが、例えばMSCIのハイディビデンド(高配当)やイコールウェイト(均等配分)、ミニマムボラティリティ(最小分散)等を採用するインデックスファンドは設定されないのか(一部のETFではありますが)。

業界のルールや法律はよくわかりませんし、中の人ではないので事情はわかりませんが、上記のようにいくつか疑問を持ちました。私は登場当時からイーマクシスを使い続けていますが、パーセント表示の件とか進め方にいろいろ疑問を感じる点が多いんですよね(「つみたてシミュレーション」の波動砲計算も早く修正してほしいです)。

【まとめ】
冒頭の画像から私が言いたいことは、少なくともパウダーでは「他人のトラックをトレースしてもおもしろくない」ということです。

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