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インデックス・ドライバー

インデックス投資のリニアリティ

【リニアリティマトリクス】
Rf=0 Rf=2.5%
相乗平均
相加平均

「リニアリティ(linearity)」とは入出力の線形性という意味で使っています。例えば検出器やセンサー関連で最も重要な特性の一つと認識しています。


【背景】
いわゆる「ベータ」の式、これによるとシグマ(共分散)のマーケット平均に対する比で期待リターンが決まるらしいです。「相関が負だったらリターンがマイナスになるのかよ」とか突っ込みどころが多い理屈ですが、これが成り立つと仮定して分布を確認したいと思います。

リターンをR、シグマをσ、相関係数をrと置き、個別ポートフォリオの添字をp、市場平均の添字をm、フリーレートの添字をfとします。

Rp-Rf=β(Rm-Rf)
β=σmp/σmm

共分散を標準偏差と相関係数で書き換えると、

Rp-Rf=β(Rm-Rf)
=rmp×σp/σm×(Rm-Rf)

また以下のように式を変形してS/Nの形にすると、

(Rp-Rf)/σp=rmp×(Rm-Rf)/σm
∝(Rm-Rf)/σm

(※rmp=constとする。相関がマイナスだとリターンも反転するのはおかしいので固定します。というか限られた投資対象群に対する分散集合なのでほぼ1と考えます。)

つまり無リスク資産減算後の「リターン/リスク」で表される「S/N」がシグマによらずマーケットのそれに比例(というか一致)することがわかります。あるいは「S/N」が定数、または無リスク資産減算後のリターンがシグマに比例すると考えることもできると思います。これをバランスファンドに当てはめ、市場のリスクリターンをバランスファンドの集合の平均として考察を進めます。

【定量化】
上記のように時価加重の理屈によると期待リターンとシグマは線形関係にあるので、そのSN比(金融で言うシャープレシオ。要はリスクに対するリターンの傾き)は市場平均と一致し、かつそれは一定であることになります。これをインデックス投資のリニアリティと定義します。

SBI証券のファンド検索からインデックス型のバランスファンドのシグマと3年リターン(相乗平均)を取得。リターンはバラつくので長い方の3年を採用しますがシグマはおそらく1年っぽいのでそこはエクスキューズです。また純粋にポートフォリオの統計特性を見たいのでリターンに信託報酬を加算しています。(※Morningstar Japanの検索ではなぜか世界経済idx等がバランス型でヒットしないので止むを得ずSBI証券から取得しています。そのためコスト補正が経費率ではなく運用管理費用であることもエクスキューズです。)

横軸をシグマ、縦軸をS/Nでプロットすると、時価加重の理屈によれば分布は横一直線になるはずです。縦軸の水準はコスト補正した相乗平均リターン、さらに消失リターン補正した相加平均リターン、およびそれらを無リスク資産補正したリターンによるS/Nの2x2のマトリクスを考えます。Rfは0.5%ピッチで誤差が最も小さくなるRf=2.5%を採用しています。

また個人的に投資しているeMAXIS8と、インデックスバランスとしてはスタムの時代から馴染みのある世界経済idxを個別に点を打っています。

以上をまとめたのが冒頭のプロットです。

【考察】
ミーンバリアンス効果(相関係数による合成リスク低減と消失リターン低減による相乗平均リターンの改善)を包含した様々な資産配分のバランスファンドの平均を世界市場平均としたざっくりとした確認になります。

まずコスト補正だけでは「リスクの小さいポートフォリオほどS/N(効率)が高い」という結果は変わりません。また消失リターンを足し戻して相乗平均を相加平均に変換してもあまり影響はないようです(シグマがたかだか10%だと0.5%の寄与しかないから?)。

消失リターンと矛盾する時価加重の理屈を信じているインデックス投資家は今時いないと思いますが、無リスク資産を約2.5%と仮定するならそれなりにリニアリティはありそうだということがわかりました。

焦点は無リスク資産のリターンが2.5%(株式の配当と同等か多いくらい)もあるかということかと思います。そもそも「無リスク資産」って何ですかね。日本の預金金利はほぼゼロです。例えば米ドル建ての外貨定期預金を考えると1.3%@3年(2017/04/15住信SBIネット銀行)らしいです。米国国債だとさらに上がるかもしれませんが無リスク資産ではないですよね。為替を考慮すると外貨預金も「無リスク」ではないですし。

【まとめ】
消失リターンに反する点や、もともと共分散がマイナスの時点で分散投資との矛盾が生じて要は最初から成り立っていない論理なのでどうでもいいのですが、ある条件を仮定して定量化すればインデックス投資にも線型性が顕現することが確認できました。

また「eMAXIS8資産均等型」が少なくともSBI証券で取り扱いのあるバランスファンドの中では平均に位置することも確認できます。これは相加平均が様々なアセットアロケーションの平均を実現できることを表すと考えています(ある意味自明ですが)。

あと「世界経済インデックスファンド」が平均よりアンダーで非効率なのはGDPという数学的に根拠のないウェイトでしかもそれが順張りライクなので後手後手の後出しジャンケンで負けるパターンにハマっているのかと推測しています。

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