※ちなみに画像は2月に白馬フォーティーセブンで行われていた「雪像大会」のドラえもんです。
ドラえもんのひみつ道具「バイバイン」をご存知でしょうか?
出典 matome.naver.jp/odai/2146097952597620101
それをかけた対象を5分で2倍に増やす、という道具です。例によってそれを使ったのび太がまたやらかしてドラえもんは増殖する栗まんじゅうを風呂敷に包んでロケットで宇宙に飛ばします。
出典 matome.naver.jp/odai/2146097952597620101
その後、栗まんじゅうはどうなったか(有限の時間で宇宙を埋め尽くすか)、というのが「栗まんじゅう問題(kurimanju problem)」です。
栗まんじゅう問題の詳細は以下の説明が秀逸です。
あるいは、
ちなみに「アストロアーツ」まで以下のようなネタ記事を書いていたとは調べるまで知りませんでしたw
※タイムリーなことに懸賞の期限は2018年3月31日までだそうです。急がないと。
話を戻します。
時間をt(分)とすると、t分後の栗まんじゅうの数は以下のようになります。
(1+1)^(t/5)
ここで例として1日=24時間(1440分)経過後の栗まんじゅうの数を求めてみると、約5×10^86個(2^288)になるようです。
宇宙に存在する原子の数がおよそ10^80(10の80乗)個のオーダーであることは割と知られた話だと思いますが、1日でそれに匹敵する数に増殖する栗まんじゅうは倍々ゲーム(指数関数)の恐ろしさを教えてくれます(栗まんじゅう・・・一体何者なんだ・・・)。
したがって、ドラえもんによって宇宙に放棄された栗まんじゅうの行く末を懸念する声が挙がるのもうなずけます。
ではこれをインデックス投資(複利)に置き換えて考えてみましょう。
時間をt(分)、相乗平均リターンを年率5%(0.05)とすると、t分後のインデックス投資は以下のようになります。
(1+0.05)^(t/525600) ∵1年は60*24*365=525600分
このように栗まんじゅうもインデックス投資も「ゲイン(リターン)」と「時定数」が異なるだけで同じ関数形(指数関数)で記述されます。栗まんじゅうの方が「圧倒的に速い」というだけです。また指数関数の微分は指数関数なので、インデックス投資も栗まんじゅうも「加速膨張」すると表現できると思います。
そう、インデックス投資と栗まんじゅう問題の数学的原理は同じだったのです。
5分あたりの栗まんじゅうの増加率または1年あたりのインデックス投資の相乗平均リターンをg、時間をt(分)、時定数をτ(タウ)とすると、栗まんじゅうとインデックス投資は一般に以下のように記述されます。
k(g,t)=k(g,0)×(1+g)^(t/τ)
ここで、
g=1,τ=5(栗まんじゅう)
g=0.05,τ=525600(インデックス投資)
インデックス投資と栗まんじゅうの増幅速度を図示すると以下のようになります。
【栗まんじゅう問題】
【まとめ】
「栗まんじゅう問題」については、単純に考えれば1日程度のタイムスケールで宇宙の全粒子を超えるとなると質量保存的に成り立たず、栗まんじゅうは増殖を止める。つまり栗まんじゅう問題の答えは宇宙のすべてを栗まんじゅうに変換して「止まる」ということが考えられます。
ただここで例えばダークエナジーを質量に転換するとか、あるいはSFライクに並行世界からエネルギーを取り出すといったような機構が存在すれば話は変わってくるかも知れませんが。無限にエネルギーが供給される場合、栗まんじゅうは宇宙を埋め尽くし、最後にはブラックホール化するのでしょうか。
そしてこの問題をインデックス投資に重ね合わせた場合、どうなるのでしょうか。
増大するスピードは違えどインデックス投資も右上がり(加速膨張)を仮定した投資法です。インデックス投資は無尽蔵に増幅を続けることができるのでしょうか、それとも止まるのでしょうか?
これを客観的な視点から考えると、インデックス投資について重要な事実が浮かび上がってくる気がしています。
【おまけのトットロ】
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