私がニッセイ外国株式インデックスのトラッキングエラーを確認したのが2014年のファンドオブイヤーの時なのでもう5年が経つことになります。
冒頭の画像の上段は昨春の白馬八方尾根スキー場のうさぎ平。普段から深いコブができるところですが、この日はザク雪が足に絡みつくような深く間延びしたバンクコブ。リラックマさんやシベリアンハスキーさんがデラがけするほどでした。
同様に下段は黒菱ゲレンデの整地側のエリアです。比較的浅いラインコブができることが多いです。
ニッセイのトラッキングエラーの変化はこのコブの違いに似ていると思うのです。
メディアントラッキングエラーを算出します。近年におけるグロ株の代表的な低コストファンド4つとDCのリファレンス1つの計5本を見てみます。期間はイーマクシススリムで律速し2017年スタートです。
【メディアントラッキングエラー(積分)@2017/02/27-2019/12/30】
【メディアントラッキングエラー(微分)@2017/02/27-2019/12/30】
【メディアントラッキングエラー(微分)のヒストグラム】
【考察】
「
インデックスおじさん2020、始動」でアジェンダに挙げたように、この変化はだいぶ前からわかっていたのですが、ようやくやる気になりました。時間のN増しをしていたのもあります。
一つめのグラフはこの5ファンドのメディアン(中央値)に対する累積変化率です。二つめのグラフは一つめのグラフの微分です。メディアンに対する変化率のみを抽出しています。
注目すべきはニッセイが2018年2月にスパイク状の変動をしています。この後からトラッキングエラーが改善し他ファンドと同等レベルになっているように見えます。
三つめのグラフは二つめのグラフのヒストグラムです。ここでは2018/02/13までと2018/02/14以降を境にニッセイを前後に分割しています(それぞれ①、②の点線で表示)。
そうすると①の分布は広く、②は他ファンド同等の幅にシュリンクしていることがわかります。
それぞれのσとマックスミニマムを以下にまとめます。
メディアントラッキングエラー |
標準偏差 |
最大 |
最小 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
0.0047% |
0.0261% |
-0.0163% |
ニッセイ 外国株式インデックスファンド |
0.0120% |
0.2089% |
-0.1098% |
たわらノーロード先進国株式 |
0.0035% |
0.0172% |
-0.0122% |
iFree外国株式インデックス(H無) |
0.0048% |
0.0538% |
-0.0477% |
DIAM 外国株式インデックスF<DC年金> |
0.0024% |
0.0111% |
-0.0128% |
|
|
|
|
ニッセイ①(-2018/02/13) |
0.0194% |
0.2089% |
-0.1098% |
ニッセイ②(2018/02/14-) |
0.0048% |
0.0257% |
-0.0368% |
あまりウォッチしていないため私が知らないだけかもしれませんが、ここで何があったかニッセイアセットから情報ありましたでしょうか?
この期間が含まれる第5期末の運用報告書(全体版)、交付運用報告書を見ても記載が無いように見えます(見逃していたら教えてください)。「ベンチマークとの差異」にも期間全体の積分値しか載らないため、今回のようなほとんどプラマイゼロの変動は検出されません。
個人的な推測としては、やはり何らかの構成銘柄の変更があったか、あるいは運用手法を変えたのかなあと。インデックスファンドには完全法や最適化法などの手法があるようです。
報告書の構成銘柄を一つ一つ比較すればわかるのかもしれませんが、もしファンドで何らかの変更があったのなら「お知らせ」などの分かりやすいところに記載してほしいと考えています。
私が以前から「情報開示」が重要と申しているのはこのようなことです。「コスト」だけが情報ではないと思います。
【まとめ】
ニッセイ外国株式はトラッキングエラーを他社同等にすることで、コストと合わせて万人にオススメできるファンドになったように思います。私のトラッキングエラーの解析もこれで終わりでしょう。
最後に私が残しておきたいことは以下です。
「トラッキングエラーを制する者はインデックス投資を制す」
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