2022年改正で確定拠出年金制度が一部変わるというのをいくつかネットニュースで目にしました。
その中で気になったのは、「企業型確定拠出年金加入者でもマッチング拠出との選択制で個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入できるようになる」という点です。これまでは、企業型の年上限額を引き下げる規約変更をした場合だけ、個人型への加入が可能になるという認識でしたが、その制約がなくなるということのようです。
私の会社でもマッチング拠出が導入され、現在マッチング拠出しているのですが、どうしたらよいでしょうか。
マッチング拠出やイデコにおける個人拠出のルールには、会社拠出分と合算して規定値を超えない、個人拠出分は会社拠出分以下、など制約があります。この拠出の概念を参考記事を真似して作ってみたのが冒頭の図です(会社で確定給付型年金を実施していない場合)。
確定給付型も実施している場合は少し変わります。
【拠出イメージ(確定給付型併用)】
半透明の面グラフで示したように、マッチング拠出とイデコでは掛金の上限額が少し異なるようです。
・マッチングは会社拠出額を超えない範囲(≦トータルで会社拠出額の2倍<5.5or2.75万円)
・イデコは2.0or1.2万円で固定(会社拠出額+2.0or1.2万円<5.5or2.75万円)
分岐点(グラフの緑とピンクの交点)としては、会社掛金が以下より小さい時にイデコの方が合算後のトータルの拠出額を多くできるようです。
確定給付型非併用:2.0万円
確定給付型併用:1.2万円
拠出額のルールのほか、マッチングとイデコの個人的な理解は以下です。
・非課税や所得控除の仕組みは基本的に同じ
・イデコは口座維持の手数料負担が発生
・選択できるファンドは金融機関による
・マッチングからイデコに移行したら、「戻れなくなる」
企業型、個人型によらず確定拠出年金は原則60歳まで引き出しできないため、イデコから企業型のマッチングに戻りたいという場合のイデコからの脱退(脱退一時金の給付)は資格や期間、資産額などの要件から相当ハードル高そうです(イデコの拠出を停止して運用のみ継続することはできそうですが)。
金額の話以前に、戻れなくなる、ないし戻るのに相当苦労する。それこそ魔法でも使わないといけないような感じです。これらを勘案すると、個人的にはマッチング拠出でよいと判断しています。
[参考記事]
(関連記事)