ちょっと気になる記事がありました。
前半のリターンはその通りだと思います。
・期間の取り方
・年率・非年率
・相乗平均(複利) or 相加平均(単利) ←これを追加しておきたい
後半のリスクの記載にはちょっと賛同しかねます。単なる言葉の問題かもしれませんが。
ちょうどこの前リスク(標準偏差)の時間依存を見ました。そのときの結論は、
長期投資でリスク(の平均)が低減するとは限りません。
モーニングスターの記事は、「過去10年間のリスクに対して"たまたま"ある1年間のリスクが大きかっただけで長期投資でリスクが低減する」と受け取れます。
『短期投資では一時的に価格変動リスクが高まる可能性はあるが、長期投資ではそうしたリスクが平均化されたと考えることができるため』
ここで言う平均化はリスクのバラツキ(アタリの期間とハズレの期間との差)を減らすものであってリスクそのものを減らすわけではないと思います。強いて「リスクのリスクは低減する」と解釈すれば合致します。
先日作成した上図では、期間が120ヶ月でも12ヶ月でも標準偏差の平均はだいたい6%にいます。例えば今回の記事のパターンはタップ120ヶ月のminに対してタップ12ヶ月のmaxに相当すると考えることができます。私としては単にバラツキの端を見ているに過ぎないと考えます。
またリスクという言葉の定義がごっちゃになっているような気もします。一般にリスクという言葉はマイナス側のみ捉えられる傾向がありますが、標準偏差の考え方ではプラスにもマイナスにも等確率で転びます。
データを見るとき心がけたいのは、
・リスクの場合はその定義
・現状がバラツキのどの位置にいるか
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