もののはずみで「リスクパリティ」という言葉を知りました。
「リスク×ウェイト」を等配分にするという、重みづけにより要素ごとのシグマの寄与率を均等化させるという思想です。イコールウェイトと最小シグマのブレンドのような考え方です。
上のレポートでは相関込みの共分散ベース云々述べられていますが、それは次回にまわして今回は単純に相関ゼロの場合にウェイトがどう表されるか考えてみます。
n個の要素のシグマ×ウェイトが等しいとします。ウェイトの和は1です。
σ1W1=σ2W2=・・・=σnWn ・・・①
W1+W2+・・・+Wn=1 ・・・②
①式を
σ1W1=σ2W2=・・・=σnWn=k
と置くと、
W1=k/σ1、W2=k/σ2、・・・、Wn=k/σn
これを②式に代入して、
k/σ1+k/σ2+・・・+k/σn=1
k=1/(1/σ1+1/σ2+・・・+1/σn)
ゆえに
Wi=(1/σi)/(1/σ1+1/σ2+・・・+1/σn) (i=1,・・・,n)
これ以前「
アセットアロケーションの定式化(未完)」等で考えたリスクの逆数の比です。feelingで思いついたものがたまたまそれだったようです。GPIFがこの配分ぽいなあと思っていましたが意外とそうなのかもしれませんね。
ところでこのリスク配分均等型や最小シグマポートフォリオは日本債など相対的にシグマが小さい資産に引っ張られて充分なリターンが見込めないことが課題だと思っています。例えば上記リンク記事における「g(1/σ)」という配分がリスク配分均等型に相当します。
一応その対策としては、日本債とその他を分離してその他だけで最適化をかけることが挙げられると思います。例えば日本債を20%確保して80%で残りのウェイトを決めるなど。
ちなみにリスクの"自乗"の逆数の比にしたものは相関ゼロの最小シグマウェイトを与えます。
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