第3部「新時代のインデックスvsアクティブ最終決戦」
カン氏(司会):インデックスのきらいなところアクティブのきらいなところとともにご挨拶を
平山氏(アクティブ):生きてる雰囲気しない
藤野氏(アクティブ):女性にもてなさそう
今井氏(インデックス):うらやましい、楽しそう。ただみんながうまくいってるわけではない
山崎氏(インデックス):手数料高い、下品、宗教じみてる、コストに見合うサービスではない
最初に買った投資信託はアクティブ?インデックス?(会場アンケート)(カン氏)
→8:2(平山氏の会社)
→合理性を否定する人がアクティブを売っている
本当のアクティブが少ない(藤野氏)
→きちんと銘柄選定しない。インデックスに近いのに高い手数料を取るファンド多い
→インデックスに負ける
アクティブ指数が低い(今井氏)
→推定トラッキングエラーで言うと?(山崎氏)
→期待5%に対し2〜3%
→周りを見て運用する(少し勝てばいい→少ししか変えないのでコスト1%差で負ける)
→平均なら首切られない(切られるのは下位20%くらい)
→インデックスのような平均を取れば左遷されない。成績が良くても評価されない。上がりそうな銘柄より無難な銘柄が評価される
→本当の運用がしたい(藤野氏)
給料上がる条件→絶対リターン(マイナスにならない)。インデックスに勝つ。ライバルに勝つ
シャープレシオ重視(藤野氏)
運用者の声→単調なんでエキサイティングではない。他に目立たない、注目されたいなどいろいろ(今井氏)
パッシブは評価の高い人がやっているのか?(山崎氏)
→几帳面な人がやっている(今井氏)
→1日ミスをすると取り返しつかない(←あいつら報われないとかわいそうだよね(山崎氏))
パッシブの人→人間らしい顔してる。平安時代のよう(平山氏)
どうすれば市場を上回れるか
→運が良ければ(山崎氏)
→アメリカは無理(機関投資家が多く効率的で上回れない)。日本は勝てる(コストや運用などが非効率)(藤野氏)
→非効率が強まっている(インデックスが増えたりして硬直的)
→コンプライアンス重視(自由にできない)。運用より販売にドライブがかかった
インデックスが増える→非効率(効率的だと出し抜けない)
→市場を出し抜く確率高くなった(藤野氏)
時価総額上位100社を外せば勝てる→経営者がダメでもクビにできない。持ち合いなど(藤野氏)
非効率が高まっていることについてどう捉えるか
(今井氏)パッシブ→受け入れる、アクティブ→価格を疑う。実際に非効率かはわからない
(山崎氏)株価が正しいわけではない(非効率)
効率的なら正しいプライス→バカが買ってもフェア
はっきり言って効率的ではない→効率的かどうかは考えなくてよい。戦い方がインデックスが優位なだけ
インデックス運用のつらいところ
(今井氏)同じことの繰り返し
→毎朝ポジションシート確認、売買注文見て注文量を決める、純資産価格のチェック、分配・分割の個別アクションについてはポートフォリオがどれだけずれるか確認
→ロマンない
(藤野氏)アクティブは機械ではなく人間を信用(評価)することだ
(平山氏)自分の思いを反映させていく投資。社会貢献(SRI)などやれる(←自分の金でやればいい(山崎氏))
公的年金でSRIやる→ダメ。買えない銘柄出てくる(受託者責任違反)。いい加減に人の金を扱う。金融に関わる奴はたまにどうしようもない奴がいる(山崎氏)
アクティブの血と涙をフリーライドするインデックスという批判について
いろんな人(マーケットメイカーなど)がいるので一概に言えない。みんなアクティブだと出し抜けない。2000年代はアクティブ強い。金利が下がるとアクティブダメ(←頭が破綻している(山崎氏))
敗者のゲーム→80年代のデータ。今のデータで見ると少し議論が変わる(平山氏)
上げ相場下げ相場でどちらが調子良いか→いろんなアクティブがあるから時期による
上げ相場でアクティブは売却するから課税コスト高い→パッシブが勝つ(今井氏)
アクティブの報酬を下げることについて
(藤野氏)純資産増えたらコスト下げる
(今井氏)年金では当たり前。個人でやらないのは意味不明(カン氏)
報酬下げるとアクティブ人気出るか
(藤野氏)難しい
→資産増えると運用困難(コンプライアンス、金融庁、モニター)。その中で戦うのは別のゲーム。1兆では無理
→議決権行使しまくりマーケットそのものにインパクト与える
(今井氏)インデックスは対象による
→大型:多い方がやりやすい、小型:多いと難しい(時価総額による適正規模の違い)
議決権行使→インデックスもやっている
どちらを買えばよいか
このイベントが「インデックス投資ナイト」→アクティブ、「アクティブ投資ナイト」→インデックス
→流行りと逆を買う
(突然)等金額ポートフォリオ(平山氏)
→アクティブに近い、似ている
→似ているのは小型が多いから?
→それもある。サルのダーツポートフォリオと同じ
等金額(=サル=アクティブ)/時価総額(=インデックス)→サル負けた(80〜90年代)、サル勝った(2000年代)(平山氏)
→サイズ効果ですか?(山崎氏)
(似ているとすると)インデックスとアクティブの境界はあるのか?(カン氏)
等金額のETF作ってほしい(平山氏→今井氏)
→作るの難しい。TOPIXは小型多いから(今井氏)
→今のところ指数があるのはMSCI JAPANだけ(平山氏)
→トヨタなどを持つにしてもどれくらい持つかが重要(山崎氏)
日経平均は2000年で切れているので統計的にNG。等株であることもポートフォリオ的にNG
デリバティブの原資産としては良い
運用のためのインデックスしかない(山崎氏)
→(TOPIX、マザーズなどすべて足した)オールジャパンインデックスが望ましい。ただし等金額は運用的に難しいので時価総額が良い(藤野氏)
インデックスより安いアクティブ作れるか?(山崎氏)
→作れる。経営努力次第(藤野氏)
インデックスのコスト以外のアピール面
(今井氏)ポートフォリオの情報開示(ETFでは日興だけ)。コストは常に下げるようにしている(例:JPX日経400ETF=0.1%)
(JPX400は)指数がよくないよね?(山崎氏)
→(東証だけでなく)日本全体を入れる、マーケットキャップ(1.5%)がある(今井氏)
→(それなら)イコールウェイトでよい(山崎氏)
→インデックス間競争すればよい(平山氏)
→仲間割れしてない?(カン氏)
(質問タイム)
インデックスマネジャーが増えるとどうなる?(インデックスファンドが増えると硬直的になる)
→オーバーコンフィデンスの投資家は無くならないし、藤野氏のようなアクティブが買うので問題ない(山崎氏)
インデックスのナンピンは?
→よくない。自分の価格にこだわっているから。天動説的な錯誤(山崎氏)
→簿価にこだわらない。投資に最も関係ない(藤野氏)
(まとめ)
平山氏:ETFで等金額作ってくれれば買う。魅力的である
藤野氏:インデックス好き。アクティブでもインデックスでもいいから投資家が増えてほしい
今井氏:インデックスを取捨選択している時点でアクティブな投資家。それに応えるETFを作る。等金額も考えている。しかし認知(=需要)が必要
山崎氏:アクティブなインデックスがあってもいい。投資の目的のための。データを公表してETFを作ってくれるものが出てきてよい。運用側のレベルを上げることも必要(報酬上げて販売会社に売ってもらうという思考がダメ)
カン氏:生活を豊かにするためにインデックス・アクティブがある。みなさん投資を広めてください
(所感)
私が予想していた勝った負けたの浅ましい話ではなく、建設的で前向きな議論であったと思う。お互い相容れないところはあるが必要性や合理性は認めており、共存してくことが今後も両者の発展に資するのではないか。
私はアクティブには興味がなかったが、藤野氏、平山氏のような方がみえることを知り、アクティブに対する考え方が少し変わったように感じる(それでも大半のアクティブはアレだと思うが)。
また平山氏から唐突に「等金額インデックス」の話が出たことは驚いた。そして意外と等金額が好評な印象を受けた。これに関して別途記事で考えてみたいと思う。
あとイーノ氏と同様カン氏の振りがうまい。
(追記)
インデックスのイベントだからかアクティブ派にも否定できない事実だからかはわからないが、最後のまとめはお互いをフォローし合いながらインデックス寄りでうまくまとまった感じ。
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