見た目の美しさ(単純さ、対称性)と数学的統計的合理性は比例するという考えに至りつつあります。
等配分(等金額、イコールウェイト)のいいところは美しさの他に過去のデータを必要としないことです。よって過去平均法から推定する妥当性に縛られることはありません。加えて大数の法則を仮定すれば自動的にリスク最小が成り立ち、対数正規分布のメディアンを最大化することができます。
一方有効フロンティアも最小シグマもリスク配分均等型も過去のデータが必要です。そして日本債など一部の資産に偏りが生じます。またデータが必要な上に配分を求める行列の演算がかなり重いと思います。等配分は何も考えずに簡単にnを増やすことができます。
さらに等配分は数学的に「ロバスト」だと考えています。ロバストとは外乱に強い、つまり状況がどう転んでも平均的に無難な結果をもたらすという意味です。物理的にはポテンシャルの極小値を取ることであり、個々のパラメータが多少変化しても全体への影響が小さいというイメージです。
上記はFTSEの言うヒューリスティックと近いです。
自分としては具体的な数値目標があるわけではないので、見た目さえ美しければ成績(リスクリターン)は「アズグロウンでよしなに」というスタンス。何も考えなくても等配分はウラで数学的にうまくやってくれますよ。最低ラインとして時間リスク的に2,30年で-2σを抑えればよいと思っています。
インデックス投資で平均を狙うなら、インデックスの中身もアセットアロケもすべて等分にして完全な平均を狙いたい。さらに細かいことを言えばインデックス内の国・通貨も等分したいところですが逆に弊害もあると思うのでそのへんはよしなにという感じです。
このようにリスクや相関に重点を置くなら等分でよいと思います。一方重みづけの必要性を支持するのはコスト、カイリです。例えば新興国は総じてコスト、カイリによるロスが大きいので、DCグロ株やニッセイ225のような圧倒的低コストがあるのに無闇に等分して全体のロスを増やすのもまた合理的でないと考えられます。
・・・そうするとシグマではなく実質コストやトラッキングカイリ率に応じて等分するのもアリかも知れません。「コスト配分均等型」とか。相関ゼロのσW均等型を求める式のσをコストに置き換えるだけでよいはずです。
シグマorコスト、そのへんは自由でありフィーリングで決めればよいと思います。もちろん両者を同時に満たすインデックスとそのファンドが現れることがインデックス投資のゴールです。
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