有効フロンティア上において、リターン/リスク、いわゆるシャープレシオ(SR)が最大になる点の定式化を考えます。つまり原点と有効フロンティア上の点を結ぶ無数の直線のうち、傾きが最大になるものを求めます。
そのためには「R/σf」の極値を求めればよいと考えます(この場合はσf^2ではなくσf)。
このようにR/σfが極値を取るときのシグマ、リターン、ウェイトはそれぞれ個々のリターン(ri)に依存することがわかりました(このときのSR=R/σf=√d)。これを「
有効フロンティアについてIII」で考えた3資産の条件で具体的に確認しておきます。
横軸にリターン、縦軸にSRを取ったものです。緑の線が有効フロンティアのSR、緑の点が上式から求めたSR最大を表し、確かに最大値を取っていることが確認できます。さらにこれを横軸シグマ、縦軸リターンの普通の有効フロンティアの絵に直すと、
緑の線は原点とを結ぶ直線で確かに傾き最大になっているように見えます。ちなみにリターン、共分散の条件によってはSR最小側の極値を取る場合がありますので極大極小の吟味は必要かも知れません。また解が存在するか(ウェイトがマイナスにならないか)の確認も必要です。
余談ですが、「d^2×(ad-b^2)^3=b^4」の関係が成り立つとき、有効フロンティアのSR最大の点における"接線"が原点と交わります。
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