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インデックス・ドライバー

相乗平均と下方偏差

「EDHECインデックス」とはなんぞや」の記事で期待リターンに「下方偏差(マイナスリターンの標準偏差)」を用いることを知りました。一般的にリターンには相乗平均を使うと思います。

相乗平均(幾何平均):(ΠAn)^(1/n)
標準偏差:[(1/n)×[Σ(An-(1/n)ΣAn)^2]]^(1/2)
下方偏差:[(1/m)×[Σ(Bm-(1/m)ΣBm)^2]]^(1/2) (Bm:ゼロ以下のAn)

そこでこの下方偏差という統計量の振る舞いを確認します。元データにはeMAXISの基準価額を用います。雪で高速が止まった2/16に落としたので期間は各設定日から2014/02/14までです。

まず各資産の日次騰落率のヒストグラムを取ります。縦軸は特に規格化はしていません。


次にこの分布の統計量を求めます。横軸はeMAXISの各資産、縦軸は標準偏差、相乗平均、上方偏差、下方偏差です。日率を年率換算しています。


これだけでは関係がよくわからないので、横軸を標準偏差として他の3変数との相関図を描くと以下のようになります。


【考察】
上方偏差も下方偏差も標準偏差なので相乗平均を用いるより標準偏差に対する相関が強いです。縦軸を期待リターンとみなすと原点に対する傾きがシャープレシオに相当します。

よってEDHECインデックスやシャープレシオ最大ポートフォリオではこの図のより左上に位置する資産ほど加重を強くすると思われます(相関係数にもよります)。

ただ上方偏差も下方偏差も標準偏差に対する相関が強く、シャープレシオ(傾き)としては資産に関わらずほとんど一定です(線形近似は切片ゼロの最小自乗でフィッティングしています)。シャープレシオが同じならEDHECのウェイトは相関係数だけで決まりますが、このほとんど一定の中から少し上にズレた資産のウェイトを増やし、少し下にズレた資産のウェイトを減らすことが「期待リターンに"下方"偏差を用いるEDHEC」のミソであると推定します(相関係数を等しくして等配分で下方偏差分のみ重みづけをするのもいいかも知れません)。

また相乗平均を用いると上記の新興国リートのように計算期間の関係でマイナスにぶっ飛んでしまうことがあります。これに対して下方偏差のように標準偏差(必ずプラスの値を取る)を用いることは計算のタイミング依存性を緩和することになり、私がリターンは変わりやすいと言っている影響を軽減することができます(・∀・)

なお上方偏差より下方偏差の方が線形近似の傾きが大きいのは、人間の心理的バイアスを端的に表しているものと考えます。私は人間心理を投資で大いに利用すべきだと思っています。だって金融って「心理統計学」でしょ。欲に溺れてポカミスする人がカモられる「敗者のゲーム」なんだから。下方偏差、非常に合理的だと思います。

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