元本割れも複利2倍則のような関係式を立てられないか考えてみます。
f(n)/f(0)=exp[(μn+a×σ√n)]=1より
元本割れσ:a=-(μ/σ)√n
これがすべてです。「シャープレシオ(μ/σ)」と「時間の平方根(√n)」との積が「-a」になります。
例えば-1σ(a=-1)の確率で30年後の元本割れを回避したいときの必要シャープレシオは、
μ/σ=-a/√n
=-(-1)/√30
=0.18
というように使うことができると考えます。ここで「-1σ(a=-1)の確率」とは平均(中央値)からマイナス1標準偏差以下が含まれる累積確率で、約16%という値です。普段設計等に従事されている方は確率の値よりσの方が通じやすいと思います。正規分布ではaが決まれば確率も自動的に決まります。数式的には、
累積確率:F(a)=[1+erf(a/√2)]/2 ※erf(x):誤差関数
具体的には、
a |
F(a) |
0 |
50% |
-0.5 |
31% |
-1 |
16% |
-1.5 |
6.7% |
-2 |
2.3% |
-2.5 |
0.6% |
-3 |
0.1% |
このあたりを覚えておけば何かと便利です。統計的にはできれば-2σは押さえておきたいところです。理想は-3σです。
(関連記事)