投資信託でよく悪者にされがちな分配金ですが、私はどっちつかずのすっぴんライクなインデックス投資家なのでなんかいいことないかなと思って考えてみます。個人的には忍者を目指しています。
【①信託財産留保額がかからない】
インデックスファンドでも例えばSTAMを持っている方は2013年5月に新興株・新興債の分配金が支払われたと思います。自分もその時の履歴で確認してみると分配金には信託財産留保額がかかっていませんでした(税金は引かれて再投資しましたが)。これらは自分で売却すると0.3%の信託財産留保額がかかります。
しかしながら、「信託財産留保額の基準価額押し上げ効果だけゲットして売却の0.3%はスルー!よっしゃー!」と喜んでもいられません。
長期投資する時間のある人にとって売却が必要になるのは数十年単位の先の話です。それまでは信託財産留保額に守ってもらいながら分配による課税ロスを極力無くして運用したいです。前のポンチ絵での考え方と同様に分配による複利ロスは1回限りの信託財産留保額より大きいです。
また、(こんなことはしないと思いますが)例えば定年までの運用は無分配の信託財産留保額ありのファンドにして、定年になったら分配型の信託財産留保額あり品に移し替えようとしても、その移し替える時点で全額に1度は信託財産留保額がかかるので意味がありません。そもそも信託財産留保額の設定された分配型が少ないような気がします。
なので結局のところ分配金に信託財産留保額がかからないとしても資産運用の効率上あまりメリットは無いと考えられます。
いかん、フォローになってないです(´~`;)
【②下落時には損失が減る】
例えば下降トレンドで毎月分配していくと利益確定になりますし、たとえ元本払戻分配でもキャッシュ化することでその分はその後の下落を免れます(もちろん再投資せずに受け取る場合)。つまりマイナスの複利が働く状況ではいいと思います。
これは私のような瞬発力や判断力のセンスの無いインデックス投資家にはありがたいことですが、できる人はごっそり売却なり損切りなりすればいいものです。基本的にインデックス投資は右肩上がりを仮定しているのであまり気にしていないというのが正直なところです。分配で下落を免れるより下がったときにドルコストで補給したりスポット買い(要するにナンピン)する方が効果的な気もしています。だってあのリーマンから元に戻ったのだから。
いかん、フォローになってないです(´~`;)
【まとめ】
分配金についてはそれぞれの判断で好きにすればいいのではないかと考えています。分配以外の選択肢も用意されているように、投資・資産運用は自己責任です。中立の立場で客観的な事実は述べないといけないと思いますが、他人に指示を出すものではないはずです。分配を選んでも効率が落ちるだけで期待値が必ずマイナスになるわけでもないので、投資において資産形成という目的の他に精神的な満足感が得られるならそれでいいんじゃないかと思います。
また、ダークな見方をすれば、高分配(≒高コスト)のファンドにより金融機関の収益が確保されないとインデックスファンドのコストが低くならないとしたら、インデックス投資家は分配金を否定できるのか、という疑問も感じます。
しかし、「相手の心理や理解不足につけ込み、実力以上の対価を要求する手数料ビジネスは追及されるべきもの」という認識は変わりません。
少なくとも私は分配が必要なら「分配金に頼らず定期売却システムを利用するか、必要な分を必要な時に自分で売却すればいい」と考えています。
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