①システマティックリスクについて
ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第9版)P.270に「図1 分散投資によるリスクの低減」があります。なんと、リスク低減が数十銘柄でサチることが書いてあるじゃありませんか。これではまともに読んでいないことがバレバレですわ(´~`;)
【リスクのゲイン成分とオフセット成分】
システマティックノイズ(σs)は「constant」なので傾きゼロ、ランダムノイズ(σr)は1/√nで低減し両対数で傾き-1/2の直線になります。その自乗和のルートが合成リスク(σfまたはσg)になります。こんな感じの「ゲインに依存する成分」と「オフセット成分(ゲタ)」との重ね合わせは資産運用に限らず割とよく出てきます。
この件に関するウォール街のランダムウォーカーの要点としては次の通りです。
◆ランダムリスクは簡単に減らせる
◆問題はシステマティックリスク
◆期待リターンは分散で減らせないシステマティックリスクに支払われるべき
②リスクをとってリターンを高めることについて
この本の第9章のタイトルにもなっている、
「リスクをとってリターンを高める」
これについて私の解釈では「確率の端で+2σ、+3σに"賭ける"こと」ですが、マルキール氏的には「市場平均(インデックス)にレバレッジを"掛ける"こと」であると読み取りました。
ウォール街のランダムウォーカーが言っているのは「市場平均にゲインを"掛ける"こと」なので、リスクとリターンの比である「SR(リターン/リスク)」は常に一定と考えられます(実際は無リスク資産があるので比例ではなく線形だと思います)。そりゃS/Nを無視してゲインを上げればリターンは高くなると思います。逆にマイナス側に振れる幅(ノイズ)もゲイン倍されると思います。
ここで疑問に思うのは、
「リスクとリターンに相関関係はあるのか」
ここで言う「相関関係」とは、同じ資産内の「銘柄」ではなく異なる「資産」まで範囲を広げると「システマティックリスクと期待リターンに一次関数的な関係はあるのか」ということです。つまりリスクの高い「資産」はリターンも高くなるという論理的根拠があるのかを知りたい。
同じ資産内の銘柄間に限ればそのような傾向が無いことは過去のデータとともに本書で述べられています(リスクをとってもリターンは高まらない)。これにはリスクでリターンが喰われる影響(シグマにより相加平均が相乗平均になること)も含まれているのではないかと漠然と思っています。
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