SBI証券によると、ラップ口座のような「ラップ型ファンド」が流行っているそうです。
「ラップ口座とは、投資をプロに一任できる富裕層向けのプレミアムサービス(SBI証券)」
先方のグラフと同じと思われるデータが日本投資顧問業協会の統計資料にありましたので参照させていただきたいと思います。期間は半年ほど長くなっており、その間の急激なノビが目立ちます。
【投資運用業者のラップ口座を利用する顧客との契約状況】
個人的には、論理性の欠如と利益相反の観点から、申し訳ありませんが金融の専門家に運用を任せることはできないと考えています。金融ほど"プロ"という言葉が軽々しく用いられる業界も無いと思いますが、保証もしない、責任も取らない他人に任せることの意味を考えた方がよいと思います。
このようなものが流行るのは他人より良い成績を求める人間心理が根底にあるのではないかと考えられます。しかし、従来に対して投資成果が「変わる可能性のある」程度のものを高い手数料で追い求めてもしようがないのでは。同じような内容で、より低コストのインデックスのバランスファンドも存在します。適当に分散していればそれなりの結果が得られると思います。
この業界から一歩引いてみると見え方や考え方も変わると思います。例えば「富裕層向けサービス」というものが別に存在する時点で普段から我々平民は適当にあしらわれていることがわかります。また「一番得する(儲かる)のは?」「一番損しないのは?」という考え方を捨てるだけで気分に余裕が生まれると思います。
投資信託の回転売買に規制がかかり始めてからこういうのが増えてきました。投資・資産運用は自己責任なので、どんな商品があって誰が何を選ぼうがどうでもいいことですが、金融において販売側が勧めるには何か理由があることを常に意識するべきだと思います。
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