SBI証券の「投信」ページの上の方に「分配金をチェック!」というのがあります。
楽天証券の「投信」ページの上の方に「分配金余力をチェック」というのがあります。
私もチェックしてみます。まずは言葉の定義から。
【SBI証券】
◆健全率(%)=費用控除後利子配当収入/直近分配金
※配当収入なのでインカムのみ。
→これが100%より大きければ全てインカムから支払われていると思われます。
◆余裕月数(ヶ月)=過去の蓄積/(直近分配金ー費用控除後利子配当収入)
※過去の蓄積とは分配準備金と収益調整金。インカムだけでなくキャピタルも含まれると考えられる。分配準備金なるものが何を基準にしているかで普通分配、特別分配が人によって変わるとしたら意味のない指標だと思うが。
→実力以上の分配を出しているファンドのための指標っぽいです。配当収入だけでは足りない分を過去の蓄積から取り崩すと何ヶ月保つかということ(そんなファンドに蓄えがあるのか?)。この計算上「インカム等の範囲内」というものは数値がマイナスになると思われます。
【楽天証券】
◆分配余裕月数(ヶ月)=分配可能原資/当期分配金
※分配可能原資は当期収益(配当、売買)と過去収益(収益調整金、分配準備積立金)との合算。インカムだけでなくキャピタルも含まれる模様。これも分配準備金が何基準か次第で意味のない指標だと思うが。
→SBIの余裕月数と楽天の分配余裕月数は似て非なるようです。当月の収益を分母から引いているか分子に足しているかの違い。
とりあえず配当収益のみで分配を賄うのが王道?のように思うので、SBIで「健全率」100以上(自動的に「余裕月数」が「インカム等の範囲内」になると思われる)でソートしたものの分布を見てみます。横軸を「健全率」、縦軸に「年間分配金と基準価額+年間分配金との比」(いわゆる「分配金利回り」)とします。
【分配金をチェック】
例えば「日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型(トルコリラ)」というファンドは26.7%/年のインカム収入があったことになります。
「えっ」
って感じです。単純にすごいと思います。別にインカムを増やすためにファンドが努力することは否定しないので分配せずに内部に蓄えればいいのに。がんばる動機が分配ありきなのが意味が分からない。もしくは見えざる力が働いて分配しないといけないのかも知れません。
あと「健全率」100%以上はまだパワーを溜めているということなので縦軸に「健全率」を掛けて規格化します。
【分配金をチェック(「健全率」で規格化)】
そうすると例えば「日興ハイブリッド3分法ファンド毎月分配型(新興国通貨戦略コース)」というファンドはMAX33.4%/年のインカム収入があったことになります。ほんまかいな。
次にいくつかのファンドでSBIの指標、楽天の指標を並べてみます。
|
健全率(SBI) |
分配余裕月数(楽天) |
年間分配金/(基準価額+年間分配金) |
日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型(トルコリラ) |
106.5 |
11 |
26.7% |
好配当グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコース |
109 |
5 |
26.1% |
ハイブリッド証券ファンド(通貨選択型)豪ドルコース |
144.9 |
68 |
7.3% |
日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン・ファンド毎月分配型(円ヘッジ) |
106.5 |
50 |
6.1% |
ピクテ世界インカム株式ファンド(毎月決算型) |
160.3 |
75 |
4.8% |
以下のようなグループに分けられそうです。そのファンドのインカム収入とキャピタル収入との大小関係が効いている気がします。
A.驚異的な分配金を毎月のインカム収入で賄ってはいるが相対的に蓄えが少ないからインカムが無くなると長くは保たないグループ
B.分配金を抑え気味でかつ相対的に過去の蓄えがあるからインカムが無くなってもそこそこ保つグループ
キャピタルも含まれるのでわかりにくくなっていますが、結局「分配余裕月数×分配金利回り」はどれも同程度になりそうです。
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最後に一応念のため書いておくと、基本的に自分はこのような余力とか余裕なんとかについては「くだらない」という認識です。
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