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拡散波動砲と収束波動砲(リスクの時間依存について)

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拡散波動砲と収束波動砲(リスクの時間依存について)

サブタイトル「長期投資でリスク(標準偏差)は変わらない」

長期投資で「リスク」は増えるか減るかという議論がしばしば挙がると思います。本質は時系列方向の不確定性を誤差伝搬による累積振幅として見るか時間平均である標準誤差で見るかという「リスクの定義」の問題だと思っています。個人的には「リスク=標準偏差はタイムスケールに依存しない」と考えています。

これらの「リスクの時間依存」を波動砲の図で整理しておきたいと思います。

【拡散波動砲「長期投資でリスク(累積確率振幅)は増大する」】

いつもの時間リスク(対数正規分布の累積確率)です。時間方向に独立(相関係数ゼロ)なウェイト1の合成シグマと考えることもできます。単純な指数関数(複利)としての指数の不確定性は誤差伝搬により増加=拡散しています。

数学的には時間の加算「(1+μ+aσ/√n)^n≒1+μn+aσ√n」あるいは自然対数の底の定義より「exp[μn+aσ√n]」と考えられます。この場合nを無限大に飛ばすと発散することがわかります。

【収束波動砲「長期投資でリスク(標準誤差)は低減する」】

時間軸方向の合成リスクを単位時間あたりの平均に割り戻したもの。いわゆる統計学の「中心極限定理」あるいは「標準誤差」と理解しています。時間(タップ)が経過するにつれて確率振幅が減少=収束しています。

数学的には時間の加算平均「(μn+aσ√n)/n=μ+aσ/√n」と考えられます。この場合nを無限大に飛ばすとシグマ成分はゼロに収束し、最終的に相乗平均に収束することがわかります。

【オメガの拡散波動砲「長期投資でリスク(標準偏差)は不変」】

FF5の「オメガ」や「ソル カノン」の拡散波動砲に近い概念は「単位時間あたり時間換算リスク」と考えています。端的に言えば「標準偏差」そのものと理解しています。ここでは対数正規分布の分散(シグマ)の年率換算をプロットしています。

対数正規分布の分散は「exp[2μ*n+(aσ)^2*n]*(exp[(aσ)^2*n]-1)」で表されます。これを「^(1/n)」で時間換算後、nを無限大に飛ばすと「exp[2(μ+(aσ)^2)]」に収束すると考えています(実際はnがキャンセルされて定数が残る)。

ゆえに、このプロットにおいてnが大きくなると分散は定数となるため波動砲は平行光線のようになります。つまりリスク(標準偏差)は時間方向に一定と考えることができます(※年率換算などの「単位としての時間換算」では誤差伝搬法則に基づいて大きさが変化する)。

というか、対数正規分布を考えなくても「シグマはシグマだ」と言うほかないと思います。標準偏差はタップを変えてもバラツキが低減するだけで真の値は変化しません(下記「ローリング・リターンズ」参照)。

【まとめ】
このように捉え方によって複数の解釈が存在する「リスク」について議論する時は定義を明確にするのがよいと思います。

個人的には「オメガ」や「ソル カノン」は「長期投資でリスク(標準偏差)は変わらない」ということを我々に教えるために「はどうほう」を連発してくれたと考えています。

【「発射!!!」】

出典 youtube.com/watch?v=S03KJ3uaTOU

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