最近「クオンツ(Quants)」という言葉を知りました。
「高度な数学的手法や数理モデルを使って、マーケットを分析したり、投資戦略や金融商品を考案・開発したりすること、もしくはその専門家のことをいう。1980年代のアメリカで、NASAのロケット工学を専攻した科学者が、量子力学などの手法を金融工学に取り入れたのが始まり(「クオンツ(iFinance)」)」
物理学の一分野である量子力学は「Quantum mechanics:クオンタムメカニクス」と言うので、まあ「クオンツ」という言葉に似ています。
個人的にインデックス投資は「定量的に議論する」という部分が理系チックであり、特に「確率で解釈する」という部分が量子力学ライクと考えています。素粒子の存在確率(波動関数の確率解釈)をインデックス投資に変換すると未来のバラツキ(波動砲)に相当するというイメージです。
例えばインデックス投資において合成リスク(シグマの誤差伝搬)の三次元表示、時間リスク(シグマの時間方向の複利確率)の三次元表示は以下のようになります。
【合成リスク(標準偏差の重畳)の三次元表示】
【時間リスク(波動砲の微分形)の三次元表示】
【電子波動関数(1s)】
【電子波動関数(2pz)】
【考察】
なんとなく雰囲気が似ていると思います。量子力学は相対性理論と並び現代社会を支える根底ですので、シグマを定量的にコントロールし未来の不確定性を確率的に管理するという(統計的)インデックス投資のアプローチは間違っていないと考えています。また観測精度に限界があること(例えばシステマティックリスクによる律速)も量子力学における不確定性関係と対応しています(そういえば数年前ハイゼンベルクの不確定性原理が破れたという報道がありましたね)。
市場の無計画な上がり下がりを見ていると、市場の総意なんて他者の動向と眼前の状況に流されて迎合(同調)しているだけのように思えます。そのような市場変動に対して、リスクオンとかリスクオフとか言っているだけならラクでいいですけど、インデックス投資は客観的に行動するものであってほしい。特に「変化率」は時価(市場平均)と直接は関係ないと思われますので、変動に対してリスクの制御に正面から取り組むための数学的に合理な分散や情報が求められると考えます。
「クオンツ」という方たちは、量子論を専攻したなら時間に依存するシュレーディンガー方程式やベクトルポテンシャルによる電磁場の波動方程式、流体力学のナビエ・ストークス方程式、相対論的量子力学のクライン・ゴルドン方程式のような微分方程式を簡単に解いちゃう人たちなんだと思います。
私はナブラやラプラシアン、ハミルトニアン(演算子)の出てくるような式は全然ダメなんですけど、彼らにとっては最小分散とか当たり前でしょうし、もっと高度で合理的なアルゴルがいくらでもありそうです。私のような余暇でやっている末端場末のゴミブロガーには知る機会のない高みですが、いつか市販のインデックスファンドにもそのノウハウが「低コスト、低カイリ」で降りてきてくれることを願います。
例えば「スタムクオンタムシリーズ」とか。あるいは運用会社が"高度な分散投資"と記していた「eMAXISプラス」にそういうものを期待しています。
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