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インデックス・ドライバー

イコールウェイトが「平均」であるということ

内容は「イコールウェイトインデックスの合理性」のブラッシュアップのようなものです。シグマと消失リターンのさらなる表現法検討と合わせて再考察します。

副題「イコールウェイトインデックスの合理性II -Second-」

さまざまな「平均」の定義の中で、ここでの意味は「対数正規分布の相加平均値(期待値)」を想定しています。

ところで、以前からイコールウェイトの合理性として等シグマ等相関を仮定した場合に合成シグマをミニマイズできることを示しています。これを「ブラックホール周辺の重力場の歪み」みたいな絵で表すと次のようになります(正確にはBHの中心部は特異点ですが)。

【ポテンシャルの図(3資産)】

3資産のうちの2資産のウェイトをW1、W2とするとそれぞれ1/3のところで歪みの極値を取ることがわかります。この結果は数学的に示すことができます(「期待値の分散とEqual Weight」)。これは3資産の例ですがn資産でもn次元の画が描ければ同様に表現できると思います。

シグマがミニマイズされるということはその関数である消失リターン「(σ^2)/2」もミニマイズされます(「シグマで失われるリターン」)。またそのウラにあるリバランスボーナス「(1/2)*(Σwiσi^2-σp^2)」もマキシマイズされます(「分散投資によるノイズキャンセル効果」)。このように「シグマによるリターンの消失」の観点からも等配分の合理性を議論することができます。

ここで「消失リターンの波動砲表示」を再登場させます。


対数正規分布では相加平均(青い線)がシグマによって相乗平均(赤い線)になることを意味しますが、ここで「イコールウェイトは青い線が取れる」と言ったらどう思われますか?適当に予想して選ぶと50%の確率で赤い線の上にも下にも来ます。

この「波動砲」を「確率分布(累積分布)」で描き直すと以下のようになります。

【「リスクによるリターンの消失」を確率分布で表してみた】※r=7%、σ=20%、n=20

【考察】
この「ヒステリシス」ライクなプロットにおいて、厳密には意味が違いますが青い線が平均値(相加平均)、赤い線が中央値(相乗平均)の累積分布を表します(青い線の中央値が赤い線の平均値に来るようにパラメータを調整。Y軸は「1-累積分布」でかつ反転させています)。累積分布50%における青と赤の資産価値の差がシグマによる消失リターンとみなして差し支えないと思います。また累積分布50%における青い線の資産価値を縦に延ばして赤い線と交わる時の累積分布が平均値を取る確率に相当します。つまりシグマが存在する場合の平均値の確率は中央値の50%より小さくなります。

イコールウェイトは構成銘柄を均等にヨーイドンさせたのち、各銘柄がこのような確率分布に広がります。-2σで沈む残念なものもあれば+2σでウハウハなものもあるでしょう。イコールウェイトはすべての銘柄を持つためこの分布の平均値そのものです(偏りなく分散する等配分は対数正規分布の相加平均の定義そのものと考えます)。ゆえに中央値より小さい確率で起こりうる平均値を100%ゲットできることになります。

定性的な解釈としては次のように考えられます。「-2σ、-3σは資産価値にして0と1の間しか取り得ない(マイナスがない)一方で、+2σ、+3σは1を超えて上限がない上に指数関数で増加するため、単純な加算平均の場合は例えば+2σの銘柄一つで-2σの銘柄を複数吸収できる。ゆえに等配分(対数正規分布)における資産価値の平均値は数で50%の中央値より高い側に引っ張られる。」

これを定量的に確認しておきます。

【イコールウェイトが平均であることの離散分布によるイメージ】※r=7%、σ=20%、n=20

例えば-2σは初期値よりだいぶ小さくなってしまうが+2σなどが爆上げしてくれるので全体の相加平均は中央値より大きくなる、というイメージです。ただしこれはあくまでイメージであって、正確には資産価値に確率密度が乗算されるので+2σがそのまま効いてくるわけではないという認識です(対数正規分布の確率密度は資産価値が高くなるほど粗になるため、例えば±2σの組が確率的に対で存在するわけではない)。

一般的に平均値(期待値)は確率変数Xと確率密度P(X)との積の積分として次の式で定義されます。

平均値=∫[X×P(X)]dX
=∫(資産価値×確率密度)d(資産価値)

このインテグラルの中身(サメイションを取る前の微分形)を対数正規分布にあてはめてプロットすると以下のようになります。

【イコールウェイトが平均であることの連続分布によるイメージ】※r=7%、σ=20%、n=20

縦軸は言い換えれば「平均値への寄与率」です(規格化はしていません)。分布の中心がプラス側へシフトしていることが、「シグマ」の寄与がゼロに対して非対称であることが、平均値が中央値(ゼロシグマ)を超えることの証明だと考えられます。

【まとめ】
◆イコールウェイトはシグマを極小化する(リバランスボーナスを極大化する)
◆イコールウェイトは変動(最小シグマ)の影響を受けるが分布を構成する要素の平均値(相加平均)が得られる
→つまり、イコールウェイトはシグマによる消失リターンをキャンセルできる
(構成要素の変動でみれば相乗平均は侵食されているが、イコールウェイトという集合でみれば相加平均となる、という解釈)

インデックスや長期投資で「ただの平均(相加平均)」を取るのは実は難しいことなんだと思いますが、イコールウェイトはそれをシンプルに実現してくれるということですね。

【仮定について】
再確認になりますが、イコールウェイトに関する考察は以下の仮定を置いています。

◆とある集合におけるすべての要素を等配分する
→選択が発生すると平均値のまわりでバラつく
◆とある集合におけるすべての要素が同じ確率分布に従う
→シグマ、相関(、期待リターン)が等しい

この仮定が非現実的としてイコールウェイトを斬るか、大数近似的にリーズナブルとして採用するかは各自の判断で決めればよいと思います。選別する余地があると見て行動するか、個別リスクや相関を用いて詳細な最適化を行うかも個人の判断次第だと思います。同様に消失リターンの考え方においても、「シグマで喰われる以上に取り戻せばいい」と考えるなら気にする必要はないと思います。個人的には「ある仮定に基づいて数学的統計的に物事を捉えるとこのような論理的帰結が得られる」ということを重視したいと考えています。

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