気づいたら設定から半年ほど経過していたので、「eMAXIS8」と対になる「iFree8」の運用について、バランスファンドの運用品質の指標となりうると考えている「リバランスボーナス」により確認しておきたいと思います(たかだか半年という気もしますけどせっかく気づいたのと計算するだけなら容易なのでやっておきます)。
iFree8資産均等型と個別8資産の基準価額から算出します。
20日周期のローパスフィルタで高周波成分を抽出したものを「平滑化」としています。ブルーのラインが基準価額から求めたリバランスボーナスの「実測値」です。マゼンタのラインがリバランスボーナスの「理論値」をバラのリターンから解析的に求めたもの、グリーンのラインがシグマから理論的に求めたもので、両者はほぼ完全に重なっています。参考として均等型とバラの平均における損益とリスク(20日周期)の差分も示しています。
【iFree8@2016/09/08-2017/03/31】
米国大統領選挙のあった2016年11月ごろはシグマの増大にリンクして理論上の「リバランスボーナス」も増大しています。その反動かはわかりませんがiFree8は翌12月にかけてオーバーシュートが見られます。瞬間最大風速的な年率換算ではありますけど2%行ってしまうとコストはおろか消失リターンを超えるような水準になってきます。
同期間のeMAXIS8資産均等型は以下のようになります。
【eMAXIS8@2016/09/08-2017/03/31】
こちらは相対的に誤差は小さく安定しているようです。
またiFree8の運用スタートから間がないことを考慮するために開始から同期間のeMAXIS8も確認しておきます。
【eMAXIS8@2011/10/31-2012/05/22】
【まとめ】
アイフリーは新興株が(ファンダメンタルではあるが)非時価なので個人的に着目はしたいと思っています。この6ヶ月強のデータでは期間の長さや市場変動といった環境依存も影響ありそうなのでやはり判断は尚早のような気はしますがなんとなく安定感はイーマクシスのように感じています。
ガチガチに配分を固める「リバランスポートフォリオ」と、ある程度フリーにする「リバランスレスポートフォリオ」、それぞれ一長一短はあるとは思いますのでその特性を理解して使いこなすことが重要と考えています。あるいはコストか運用品質かというのも各個人が判断して使いこなせばいいと思います(本当は両立しているのがベストなんですが)。
なお各資産のウェイトを維持することで配分通りの合成リスク低減効果を持続し、シグマに依存する消失リターンを抑制することが「リバランスボーナス」の本質と理解しています。ゆえに、リバランスすることでリターンが増えるわけではなく、「リターンをできるだけ減らさないようにする」「いかに効率的にリスクを低減しているか」「消失リターンを抑制する」と考えるようにしています(なので個人的には「ノイズキャンセル効果」と呼んでいる)。
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