白馬三山(しろうまさんざん)を眺めればなんとなく均等配分の「良さ」を感じていただけると思います。今回は実例によるその良さの確認です。均等配分の神髄を見せると言っています。
三菱UFJ国際投信の「ポートフォリオの達人」。均等配分の特性を検証するために私は第二回の時に9資産均等型で、この度の第五回で10資産均等型で参戦しました。
【リターン/リスク(S/N)の結果】
第二回(9資産) |
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S/N=1.32 |
577位/2316件中(累積24.9%)
@全体 |
228位/772件中(累積29.5%)
@堅実型 |
第五回(10資産) |
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S/N=0.88 |
1247位/3959件中(累積31.5%)
@全体 |
482位/1319件中(累積36.5%)
@堅実型 |
【解釈】
選択可能な資産を全て含めたポートフォリオにおいて、平均値そのものである均等配分は順位で真ん中より上位に位置している。
【考察】
正確に言えば、これは限られた母集団の中の相対的な順位であり、また個別リスクリターンが異なれば均等配分の「中央値<平均値」といった特性の単純な議論はできないですが。ただランクがセンターより上という固有の結果は均等配分を理解する上で直感的に分かりやすいと考えています。
なお確率分布による定量的な考察については過去例えば以下のようにやっていますのでご興味のある方は再度確認をお願いします。
この均等配分が「みんなで平均を取ろう」「負けない投資」というインデックス投資に相応しい「(相加)平均」ではないでしょうか。それとも不確定な予想や時価による「(加重)平均」で他人を出し抜こうというのがインデックス投資なのか?
もちろんポートフォリオ対決で入賞するという意味では均等配分では勝てません。それに期間4ヶ月では分散投資によるS/Nアップの効果よりも個々の資産単品の変動の優劣が支配的になるのでしょう。それをただ「当てる」だけの「賭け」になっていることは、このコンテストの本来の趣旨や意義を考え直すきっかけになるのではないか。
たとえこれが最後まで「ゲーム」であっても、このように取り組み次第で均等配分の真に迫る事はできます。「ゲーム」と「リアル」、それぞれに相応しいポートフォリオとは何かを考えさせられます。
【まとめ】
インデックス投資において中央値より上位を実現する、その「平均値の複製」こそが「均等配分の神髄」と考えます。
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